2007/6/12 15:37
マスコミ学会ワークショップレポートと感想 フェミニズム
日曜日に開かれた、マスコミ学会ワークショップ「「バックラッシュはどのように起きるのかーマスメディアとWeb言説空間との呼応関係」については、すでに荻上チキさん、今井紀明さん、斉藤正美さんのブログにて報告がアップされている。繰り返しになる箇所もあると思うが、とりあえず私の簡単なレポート&感想を書いてみたい。
1)「いわゆる『弱者男性』=ネット右翼/バックラッシャー」説への疑問
このワークショップの重要なポイントは、よく言われる「いわゆる『弱者男性』=バックラッシャー論」を検証し、疑念をはさむという方向性が提示されたことだった。果たして若者の右傾化といった現象は本当に起きているのか、ネットにより、右傾化しているように「みえる」のではないのか? 2ちゃんねるは「若者文化」といえるのか?2ちゃんねらーは本当に「右派男性」たちなのか?などといった疑問が提示された。とくに、北田さんによる、2ちゃんねるなどのネット利用者に関するアンケート調査と、今井さんのネットでバッシングをした方々と対話を試みた実体験に基づくお話と組み合わせたことで、「弱者男性=バックラッシャー」説へのパワフルな反論になっていたと思う。
フェミニズム界隈でこの説はよく聞かれるように思うが、裏を返せばそれはいかに実態をみないで解釈、判断しているかの現れでもあるかもしれない。実際、主流の女性学者やフェミニズム運動に関わる人たちの多くは2ちゃんねるや、ネットをほとんど見ない層でありながら、MLやマスメディアからの情報に基づき「ネットは怖い」「2ちゃんねるには右派が多い」といったことを信じこんでしまっている側面もあるのではないか。
2)フェミニズムへのバッシングの歴史
斉藤さんはリブへのバッシングについて、私は主に行動する女たちの会への75年当時、89年当時のメディアにおけるバッシング記事を紹介しながら、フェミニズムへのバッシングは何も唐突に2002年頃から起きたわけではなく、70年代から80年代、そして90年代と、ずっと起きてきていた事に言及した。もちろん、2002年頃からのバックラッシュがまったく同じような質のものではないわけだが、あたかもそれ以前にバッシングがなかったかとか、たいしたことではなかったように扱うことで、フェミニズム運動の歴史そのものが消されている側面があると思う。
また、今現在、具体的な性差別撤廃に関する事柄より、「ジェンダー」という概念が過度に理想化され、これこそがフェミニズム運動の重要な金字塔なのだといったようなことが言われる傾向がある中で、この概念が日本に導入されたとよく言われる95年の北京会議以前の歴史が軽視される傾向にもつながってしまう。そして、歴史が継承されないことで、バッシングへの対抗もより困難になることが考えられるいった論点も出た。
3)フェミニズムのプレゼンス能力の低下
チキさんから、Web 2.0どころか、「フェミニズム=運動0.5」状態であるという指摘がなされ、私は自身がフェミニズム系サイトの企画などに関わった経験も交え話した。その中で、フェミニズム系ブログやサイトがまだまだ少ないこと、あったとしてもインタラクティブとはほど遠く、更新もままらない状態のサイトも多いこと、ブログがあっても、情報の提示がうまくなく、読者が少なかったり、広い層の読者にとって有用な情報になっておらず、内輪向けの情報になっていることなどの問題が挙がった。
今井さんがインタラクティブであり続けることに、前につきすすめる可能性をみたい、というコメントをされたが、これこそがフェミニズム系サイトやブログに欠けているところかもしれない。インタラクティブではなく、一方的に情報を流す形式であるとか、コメント欄やトラックバックを置いていないブログもかなり多いからだ。そして、ブログよりMLという閉じた場所でのコミュニケーションばかりが盛り上がっている現状もある。自分自身の関わったサイトなども含め、フェミニズム関連サイトの検証も必要な作業だと思った。
4)フェミニズム/運動の「正しさ」と「楽しみ」
フェミニズムの「正しさ」の主張といったものが、ネット上の祭りなど「楽しみ」を求める層へ通じがたいこととか、「ジェンダー論」を教えても学生になかなか通じない問題なども議論の中ででてきていたが、それを聞いていて思ったのが、「フェミニズムの楽しさ」というのが伝わっていないということだった。少なくとも私自身は、フェミニズムは楽しいと思っているのだが(じゃなかったらやらないし、、)。フェミニズム=学問、的なイメージが強いのだろうか?確かに、ネットにある日本の「ジェンダー論」の授業のシラバスなど見ても、面白そう、楽しそうという印象は、私ですら持てない面もある。(「ジェンダー論」授業の教え方に関する意見交換は、何かしら別の場をもうける必要があるのかも。。)
しかし、部屋自体に女性が少なく(今井さんが書いているように、マスコミ学会自体に少なすぎ)、パネリストの中に斉藤さんと私とフェミニストが2人いただけまだマシだったとはいえ、明らかに少ない場では、「フェミニストの方にお伺いしたい」といった質問に答えることで、自分が言うことが「フェミニストの代表的意見」的にとられてしまうのでは、、というリスクを常に感じながら話す状況でもあった。斉藤さんも私も、日本のフェミニズム主流派的立場とは実はほど遠いだろうと思うので、そう取られちゃうと困るなーと思いながら。。
まとまりのないレポート&感想ですが、またネット上で議論が展開していくといいなーと思っています。
1)「いわゆる『弱者男性』=ネット右翼/バックラッシャー」説への疑問
このワークショップの重要なポイントは、よく言われる「いわゆる『弱者男性』=バックラッシャー論」を検証し、疑念をはさむという方向性が提示されたことだった。果たして若者の右傾化といった現象は本当に起きているのか、ネットにより、右傾化しているように「みえる」のではないのか? 2ちゃんねるは「若者文化」といえるのか?2ちゃんねらーは本当に「右派男性」たちなのか?などといった疑問が提示された。とくに、北田さんによる、2ちゃんねるなどのネット利用者に関するアンケート調査と、今井さんのネットでバッシングをした方々と対話を試みた実体験に基づくお話と組み合わせたことで、「弱者男性=バックラッシャー」説へのパワフルな反論になっていたと思う。
フェミニズム界隈でこの説はよく聞かれるように思うが、裏を返せばそれはいかに実態をみないで解釈、判断しているかの現れでもあるかもしれない。実際、主流の女性学者やフェミニズム運動に関わる人たちの多くは2ちゃんねるや、ネットをほとんど見ない層でありながら、MLやマスメディアからの情報に基づき「ネットは怖い」「2ちゃんねるには右派が多い」といったことを信じこんでしまっている側面もあるのではないか。
2)フェミニズムへのバッシングの歴史
斉藤さんはリブへのバッシングについて、私は主に行動する女たちの会への75年当時、89年当時のメディアにおけるバッシング記事を紹介しながら、フェミニズムへのバッシングは何も唐突に2002年頃から起きたわけではなく、70年代から80年代、そして90年代と、ずっと起きてきていた事に言及した。もちろん、2002年頃からのバックラッシュがまったく同じような質のものではないわけだが、あたかもそれ以前にバッシングがなかったかとか、たいしたことではなかったように扱うことで、フェミニズム運動の歴史そのものが消されている側面があると思う。
また、今現在、具体的な性差別撤廃に関する事柄より、「ジェンダー」という概念が過度に理想化され、これこそがフェミニズム運動の重要な金字塔なのだといったようなことが言われる傾向がある中で、この概念が日本に導入されたとよく言われる95年の北京会議以前の歴史が軽視される傾向にもつながってしまう。そして、歴史が継承されないことで、バッシングへの対抗もより困難になることが考えられるいった論点も出た。
3)フェミニズムのプレゼンス能力の低下
チキさんから、Web 2.0どころか、「フェミニズム=運動0.5」状態であるという指摘がなされ、私は自身がフェミニズム系サイトの企画などに関わった経験も交え話した。その中で、フェミニズム系ブログやサイトがまだまだ少ないこと、あったとしてもインタラクティブとはほど遠く、更新もままらない状態のサイトも多いこと、ブログがあっても、情報の提示がうまくなく、読者が少なかったり、広い層の読者にとって有用な情報になっておらず、内輪向けの情報になっていることなどの問題が挙がった。
今井さんがインタラクティブであり続けることに、前につきすすめる可能性をみたい、というコメントをされたが、これこそがフェミニズム系サイトやブログに欠けているところかもしれない。インタラクティブではなく、一方的に情報を流す形式であるとか、コメント欄やトラックバックを置いていないブログもかなり多いからだ。そして、ブログよりMLという閉じた場所でのコミュニケーションばかりが盛り上がっている現状もある。自分自身の関わったサイトなども含め、フェミニズム関連サイトの検証も必要な作業だと思った。
4)フェミニズム/運動の「正しさ」と「楽しみ」
フェミニズムの「正しさ」の主張といったものが、ネット上の祭りなど「楽しみ」を求める層へ通じがたいこととか、「ジェンダー論」を教えても学生になかなか通じない問題なども議論の中ででてきていたが、それを聞いていて思ったのが、「フェミニズムの楽しさ」というのが伝わっていないということだった。少なくとも私自身は、フェミニズムは楽しいと思っているのだが(じゃなかったらやらないし、、)。フェミニズム=学問、的なイメージが強いのだろうか?確かに、ネットにある日本の「ジェンダー論」の授業のシラバスなど見ても、面白そう、楽しそうという印象は、私ですら持てない面もある。(「ジェンダー論」授業の教え方に関する意見交換は、何かしら別の場をもうける必要があるのかも。。)
しかし、部屋自体に女性が少なく(今井さんが書いているように、マスコミ学会自体に少なすぎ)、パネリストの中に斉藤さんと私とフェミニストが2人いただけまだマシだったとはいえ、明らかに少ない場では、「フェミニストの方にお伺いしたい」といった質問に答えることで、自分が言うことが「フェミニストの代表的意見」的にとられてしまうのでは、、というリスクを常に感じながら話す状況でもあった。斉藤さんも私も、日本のフェミニズム主流派的立場とは実はほど遠いだろうと思うので、そう取られちゃうと困るなーと思いながら。。
まとまりのないレポート&感想ですが、またネット上で議論が展開していくといいなーと思っています。
2007/6/16 14:31
投稿者:ともみ
2007/6/15 20:44
投稿者:HAKASE
お久しぶりです。ワークショップ行ってみたかったんだけど、さすがに遠くて…(^^;
自分のWebページ、かなり前に掲示板閉めて一方的にいろいろ提供するだけのページになってるので、あんまり偉そうなこといえないんですが、フェミニズム系ブログやサイトが少なくて、閉じたコミュニケーションが多いってことには、実はちょっとだけ心当たりがあったりします。
自分がページを作った2000年から少し経ったくらいからだと思うんだけど、フェミニズムに限らずいわゆる左寄り(?)っぽいページや掲示板が増え始めた時期があったんです。で、その直後ぐらいに、いわゆる「荒し」がその種のページを集中して攻撃した時期がありました(自分が見てた範囲での印象ってだけで、記録とってたワケではなくて検証できないのが残念なんですが)。
その頃は今みたいに荒し対策をアドバイスするページとかもそれほど多くなくて、もちろん慣れてもないだろうし、大変な思いして掲示板を作り始めてもすぐに攻撃されるような状況も結構あって、あと、荒し的な書き込みや理屈にまじめに答えようとしてたりとか、無視できずに対応して疲弊してたりとか、それで対応できないページや掲示板がどんどん閉鎖していく状況がありました。
過去にそういう状況があったって事も、出遅れてる理由のひとつにあるんじゃないかなぁという気がしてます。あの状況を見てた人がWebから距離を取りたがるってのは僕はわかる気がするんですよね。もちろん単にコンピュータ苦手という人も多いんだろうけど(^^;
自分のWebページ、かなり前に掲示板閉めて一方的にいろいろ提供するだけのページになってるので、あんまり偉そうなこといえないんですが、フェミニズム系ブログやサイトが少なくて、閉じたコミュニケーションが多いってことには、実はちょっとだけ心当たりがあったりします。
自分がページを作った2000年から少し経ったくらいからだと思うんだけど、フェミニズムに限らずいわゆる左寄り(?)っぽいページや掲示板が増え始めた時期があったんです。で、その直後ぐらいに、いわゆる「荒し」がその種のページを集中して攻撃した時期がありました(自分が見てた範囲での印象ってだけで、記録とってたワケではなくて検証できないのが残念なんですが)。
その頃は今みたいに荒し対策をアドバイスするページとかもそれほど多くなくて、もちろん慣れてもないだろうし、大変な思いして掲示板を作り始めてもすぐに攻撃されるような状況も結構あって、あと、荒し的な書き込みや理屈にまじめに答えようとしてたりとか、無視できずに対応して疲弊してたりとか、それで対応できないページや掲示板がどんどん閉鎖していく状況がありました。
過去にそういう状況があったって事も、出遅れてる理由のひとつにあるんじゃないかなぁという気がしてます。あの状況を見てた人がWebから距離を取りたがるってのは僕はわかる気がするんですよね。もちろん単にコンピュータ苦手という人も多いんだろうけど(^^;
2007/6/15 7:58
投稿者:ともみ
女性学&ジェンダー学者に、「弱者男性=バックラッシャー説」を唱え
る人たちが目立つんですよね。そういう面からも、自民党ねつ造説には
無理があるかと思います。むしろ、学者たちが積極的にながしてきた説
といえるのではないかと、、。
自民党は「バックラッシュ」的言説をそもそも「反動」ともみなしてい
ないので、こういうねつ造をする意味はあまりないような?
る人たちが目立つんですよね。そういう面からも、自民党ねつ造説には
無理があるかと思います。むしろ、学者たちが積極的にながしてきた説
といえるのではないかと、、。
自民党は「バックラッシュ」的言説をそもそも「反動」ともみなしてい
ないので、こういうねつ造をする意味はあまりないような?
2007/6/14 18:42
弱者男性=バックラッシャー説は私もうそ臭いと思います。
むしろ、いわゆる勝ち組でしかし余裕がない人に、保守的な考えの人が多いような気がします。新保守層と言うべきか。俺は苦労してえらくなったのだから努力しない奴は死ね的な。
本当にワーキングプアだったら、余裕がないと思う。私も疲れたときは書き込む気もしませんが、ましてや、ダブルでアルバイトしてやっと食っているような人が、あそこまでいろいろ書き込むとは思えない。投票にも殆ど行きません。
むしろ、自民党などが、人々に「弱者男性=どうしようもないやつ」という構図にするために捏造しているんじゃないかと思いますね。出所を調べたほうが良い。
むしろ、いわゆる勝ち組でしかし余裕がない人に、保守的な考えの人が多いような気がします。新保守層と言うべきか。俺は苦労してえらくなったのだから努力しない奴は死ね的な。
本当にワーキングプアだったら、余裕がないと思う。私も疲れたときは書き込む気もしませんが、ましてや、ダブルでアルバイトしてやっと食っているような人が、あそこまでいろいろ書き込むとは思えない。投票にも殆ど行きません。
むしろ、自民党などが、人々に「弱者男性=どうしようもないやつ」という構図にするために捏造しているんじゃないかと思いますね。出所を調べたほうが良い。
2007/6/13 8:31
投稿者:ともみ
あー、バックラッシュと言われてしまうでしょうかねえ。「敵を利す
る」とかなんとか批判されたことは(具体的に私のことだとは明記はし
てないにせよ)は今までもあったので、同じパターンは予測はできま
す。でも、自分たちのストラテジーなどを批判的に検証できないと、前
にも進めないと思っています。内部での異論反論議論の類いがオープン
に出やすくすること、一方的に情報を流すのみならず、インタラクティ
ブにやりとりできる状況を作ることは大きな課題だと思います。
る」とかなんとか批判されたことは(具体的に私のことだとは明記はし
てないにせよ)は今までもあったので、同じパターンは予測はできま
す。でも、自分たちのストラテジーなどを批判的に検証できないと、前
にも進めないと思っています。内部での異論反論議論の類いがオープン
に出やすくすること、一方的に情報を流すのみならず、インタラクティ
ブにやりとりできる状況を作ることは大きな課題だと思います。
2007/6/12 22:56
投稿者:おかしなこと
http://okasinakoto.blog103.fc2.com/
http://okasinakoto.blog103.fc2.com/
読みました。ジェンダー関連の本を漁っている素人感からの感想です。
今回のマスコミ学会の内容は、主流派フェミニズムからはバックラッシュと言われかねないものかもしれませんね。
WEB2.0世代フェミニズムが主流になれば、フェミニズムの硬直性にも
変化が出てくるかもと思いました。
ネット上で「フェミ」「フェミ」とか言って批判されたりしている
のは、主流派フェミニズムに対してだと思います。
今回のマスコミ学会の内容は、主流派フェミニズムからはバックラッシュと言われかねないものかもしれませんね。
WEB2.0世代フェミニズムが主流になれば、フェミニズムの硬直性にも
変化が出てくるかもと思いました。
ネット上で「フェミ」「フェミ」とか言って批判されたりしている
のは、主流派フェミニズムに対してだと思います。




そうですね、確かにフェミ系や左翼系掲示板に荒らしが多かったのはお
ぼえています。私が一時期管理していた「女性連帯基金」(すでに解
散)のサイトにも掲示板を設置していたけれど、かなり荒らしがきて
(というか荒らしくらいしかこなくて)結局実質上の閉鎖状態にしてし
まった覚えも、、。私自身も、人ごととはいえないんですよね。でも、
今はだいぶ対策もしやすくなってきたし、どうやったらこの状況を変え
て行かれて、もっと発信が増えるようにできるのか、考えて行く必要も
またあるように思っています。実際は、発信どころか、受信もままらな
い状況もまだまだ残っていたりするのだけれど、、。