2006/7/31  0:14

Lake Tahoe旅行(最終回) 〜後味の悪いコンサート〜  音楽

その後もニール・ヤングは手を緩めない。巨大マイクを揺さぶってみんなで歌うことをアピールする。現政権を「彼らはゴミだ」という露骨に批判する歌を歌い、一部政権支持者は再度不機嫌そうに座る。

私の前にいる婦人が「Fxxk you, Neil Young!」と叫ぶ。ま、その割に彼女はそれ以外の曲では立ち上がり、応援するのだが、その隣の夫と思しき男性は座ったままで明らかに不機嫌だ。

クリックすると元のサイズで表示します
(写真:立てた中指はブッシュに対してではなく、ニール・ヤングに対して)

そして4列目の左側で、政治的意見の相違だろう。観客同士のもみ合いが起こり、しばらくして警備員が駆けつける。数多くコンサートへ行ったがこんなことは初めてだ。

クリックすると元のサイズで表示します
(写真:中央の白髪の男性が騒ぎのもと、と思われる)

私にとっては音楽=エンターテイメントである。宗教や政治、そして文化や信条が異なる人であっても楽しめる、共通の言語、音楽。仕事上でのトラブルや人間関係のもつれ、など、とかく嫌なことも多い現実を、素晴らしい曲と演奏技術で忘れさせてくれる楽しみなひと時なのだ。政治的な主張として「ブッシュは人殺し」などと声高に批判するようなものではない。いや、そういう音楽があってもよいが、私は聞きたくないし、歌いたくない。

ちなみに私はアメリカは大好きであるが、ブッシュ政権はサポートしていない。イラクは国連決議違反ではあるが、アメリカも国連決議を経ずに先制攻撃したことは否定できないからだ。しかし私は悪い気分になった。まるで反政府集会に参加している気分であった。そんなものに飛行機代、ホテル代、レンタカー代、そしてチケット代に大金をつぎ込みたくはない。金だけではく、ここまではるばるやってくる労力もそうだ。

私は完全に覚めた。覚めきっていた。通路際であったらもう会場から出ようかと思ったくらい覚めていた。歓声も上げず、拍手もせず、その場に立っていただけである。正直どの曲をやったのかもあまり覚えていない。とにかく私が愛する音楽を個人的な中傷に使われたことに腹が立った。CSNやCSN&Yにはそれ以外に素晴らしい曲が山ほどあるのに、である。多くの人にとってエンターテイメントであるはずのCSN&Yの音楽が、この晩はブッシュ批判の道具と化したのだ。

「反戦」というのはよい。「世界平和」は皆が望むところである。総論については賛成で、各論については反対なのだ。そして仮に反ブッシュであっても友人や家族の手前、あるいはなんらかの理由で表立って積極的に反対できない人だっているはずだ。そのような人のことを省みず、一方的に「反ブッシュ」を強要されたことに腹がたった。婉曲表現ならまだしもこのような直接的な方法でやられて、引いた。いや、引いたなんてものではなく、「ドン引き」であった。マリアナ海溝が干上がってしまうくらい私の中では干潮の極みだった。「言論の自由」は素晴らしいが、このコンサートでは強烈に「反ブッシュ」を叫べる人、あるいは歌詞はどうでもよく、音楽があれば大騒ぎするだけの人しか楽しめない仕組みになっていた。それは本当にCSN&Yが取るべきポジションなのか?

ステージには紙くずが投げ入れられた。もちろん一番アグレッシブなのはニール・ヤングだが、一部観客を不機嫌にさせたのは一緒に演奏している他のメンバーも同じである。

最後はニール・ヤングも一部観客の反応を見て悟ったのか、アンコールはやりたくないようだった。スティルスがステージの奥に引っ込んだヤングに向かって人差し指を立て、「1曲だけ」と諭し、ニール・ヤングとデイビッド・クロスビーはようやく出てきた。最後は私が好きなスティルスのソロ曲「Love the one you’re with」だったが、これまた全然楽しめなかった。

クリックすると元のサイズで表示します
(写真:最後は並んで声援に答えたCSN&Yだったが・・・)

前半素晴らしかったのに、後半途中からは最悪だった。こんな後味の悪いコンサートは始めてだ。そして今後CSN&Yのコンサートには二度と行かないことと決めて帰路についた(「Lake Tahoe旅行」終わり)。



2006/8/12  8:38

投稿者:totsuzenーojama

アメリカの知人が行くらしいlake tahoe を検索していたところ、こちらにきてしまいました。
csn&yも若い頃によ〜く聞きましたので、思わず見入ってしまいました。
コンサートについての感想は、全く同感です。
せっかく行かれたのに.....残念ですね。

2006/7/31  3:05

投稿者:yajiuma

これは、これはお気の毒に!!
期待したものから、あまりにも遠いものに出会ったね
メッセージがない歌はつまらないけど、彼らの音楽が行き着いたところがここだったのかもしれないなあ!
誰かに強要されたものじゃなければ・・・ね。

YOSHIにとっては不幸な出会いコンサートだったけど、このグループを去るときが来たということなんだろうな。

いろいろな出会いもあるけど、人生にはいろいろな離別もある。このグループには、楽しかったことだけ記憶に残しておいたらいいよ。
私も、何回か、そんな経験をしてきたからいえることだけど・・・(苦笑)

コメントを書く


名前
メールアドレス
URL
コメント本文(1000文字まで)


RSS1.0