2008/5/6  16:40

食糧安全保障、世界はもう待ったなし。  

食糧争奪
柴田明夫、日本経済新聞出版社


「牛肉を1トンつくるのに小麦が12トン必要という話が出ましたが、1トンの小麦をつくるのに、だいたい1000トンの水がいる。つまり1トンの肉に12,000トンの水がいるわけですね」
石弘之、湯浅赳男、安田喜憲「環境と文明の世界史」2001 洋泉社の213ページのこの文章を読んだ瞬間、僕は頭をガン!とぶん殴られたようなショックを受けた。そして同時に「水と穀物は『戦略物資』に成り得るんだ」と認識した。
つまり「カネがどれだけあっても入手できなくなる可能性がある」と。そしてもう一つは「発展途上国が経済成長して、その国民の食生活が豊かになればなるほど、水・穀物・そして肉の奪い合いになるだろう」と。

本書「食糧争奪」というタイトルも「日本の食が世界から取り残される日」というサブタイトルも、一見すると刺激的に見えるが、自他共に「世界一の戦争オンチ」である日本において、戦略物資の調達に失敗する危険性は必ずしも低くはないだろうという認識に立てば、むしろ「さもありなん」と思えるものである。

筆者は本書の「はじめに」において、「主要穀物…小麦、トウモロコシ、コメに大豆も加える…市場に、いま異変が生じている。シカゴ穀物市場では小麦、トウモロコシ、大豆価格が2006年10月以降に騰勢を強め、07年に入ってからは1996年以来十年ぶりの水準となった。穀物価格の高騰は何の『兆し』であるのだろうか」
と我々に疑問を投げかける。

価格高騰が穀物だけでないのは既にご承知のとおり。NY原油先物市場では、瞬間的に1バレル120ドルの最高値を記録した。さらに鉄、非鉄、石炭も高騰を続けている。こういった動きの中で、今年4月20日付の日本経済新聞では特集を組んで、農業生産国の間で穀物などの輸出を規制する動きが広がってきたことを報じた。
世界的な食糧価格の高騰に引きずられて国内価格が上がるのを避けるのが狙いだが、国際市場への供給が減ることによって相場上昇に拍車がかかる悪循環を呼んでいると。
そして既にいくつかの国ではパンの奪い合いで死者が発生したり、貧困層による暴動が多発している。

アメリカ合衆国は現地14日に2億ドルの緊急食糧支援を行うとブッシュ大統領自ら発表した。まあ、米国がすすめているトウモロコシをバイオ燃料への転換が、食料価格高騰に一役買ってしまっていることに加え、サブプライム・ローン問題対策でFRBが市場にジャブジャブ流した金が商品市場へ流れ込んで原油や穀物価格の高騰の要因ともなっているのは困ったもんだが。
フランスも動いた。サルコジ大統領は現地18日、今年度から食料援助金を倍の6000万ユーロにすると発表した。

色々と前置きが長くて恐縮だが、本書は別にパニックを煽り立てるようなものではない。国際食糧市場の仕組みや問題点を平易に解説してくれている。ただ、読みすすめていくうちに、どうしても先行きに不安がつのる。
そして、毎度の如くこういった問題の解決に向けて立ち遅れる我が国の取り組むべき課題が、あまりにも多すぎて頭を抱えてしまう。

筆者は最後に「東アジア共同体構想の機運が高まってきた」と唐突に紹介し、日本農業にいま必要なのは農業主体の「変わろうとする意志である」と結んでいるんだが、これはいくらなんでも先走りしすぎであろうと思う。
日本の農業における一番の難点は、まさにその農業主体の「変わろうとしない意志」そのものであるから。

そして東アジア共同体構想については、歴史・文化・文明・宗教・言語・政治形態・何から何まで多様化していて「中心」となるものがない(中国がその中心になりたがっているのは周知の話だが)以上、EU以上に、それこそ百年計画くらいの超長期的スパンで議論していくべきだろうなあと個人的には思う。

とはいえ、本書は、この食糧問題を考えるにあたって非常に勉強になった。
是非一読をオススメしたい。

2008/5/3  23:50

そうです、私が「論語読みの論語知らず」です。(4)   学問


會子曰、吾日三省吾身。

為人謀而不忠乎。

與朋友交而不信乎。

傳不習乎。



會子曰く、吾日に三つ吾身を省みる。人のために謀りて忠ならざるか。
朋友と交わりて信ならざるか。伝えられて習わざるか。

※「吾日に吾身を三省す」(私は一日に吾身を幾度も省みる)とする説もある。

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2008/5/1  22:16

「どうやって死ぬか」より「なぜ死を選ぶか」だと思うが。  ニュース

硫化水素による自殺が全国で多発している。
で、関係各位がなにをしたか、しようとしているか。

<マスコミ>
ニュース等で硫化水素による自殺を「流行」にし、具体的な方法も報道し、あまつさえは「多くの巻き添えが出ています」と自殺者を犯罪者扱い。

<行政>
ごめん、何かしたんか?

<警察庁>
4月30日、硫化水素の発生方法を説明したインターネットの書き込みを「有害情報」に指定し、全国の警察本部などに通達した。今後発見した場合は民間のネット関連団体などを通じ、プロパやサイト管理者に削除を求めていくとのこと。

本件に関しての僕の意見を書いてみる。
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2008/4/30  23:10

国連の常任理事国は、今日も武器販売に忙しい  ニュース

破綻した経済、大統領選挙を巡るゴタゴタ、アフリカのジンバブエは政治経済をはじめ、大変な状況が続いている。多少古い資料で恐縮だが、2005年のWHOレポートによれば、2004年におけるジンバブエの平均寿命は37歳である。ただ、今日はこれが本題ではないのでこれ以上は割愛する。

先週の新聞の国際面のベタ記事の中に「中国外務省によると、ジンバブエ向けの武器を満載していた中国船が、荷降ろしを断念して、中国に引き返していることが24日、明らかになった」という記事をみつけた。記事によれば「大量の武器は、ムガベ政権が野党弾圧に使うと懸念されていたが、中国外務省では「国際法や国際的義務に違反する契約ではないと語り『問題を政治化すべきではない』と訴えた」と〆ていた。
下線部分の言い回しは、まあ回答に窮した場合の常套句であり、チベット問題でもおなじみのフレーズである。

ところが、こんな記事もある。
2008年4月27日、国営新華社通信によると、中国への引き戻しも検討されていた中国船籍の貨物船「安岳江」号が、アンゴラ・ルアンダ港への寄港に成功した。アンゴラ政府は「船にはアンゴラ向けの貨物もあり、寄港は当然」としている。だが、問題とされるジンバブエ向け武器の荷揚げは許可されなかった。

記事によると、アフリカ内陸部ジンバブエ向けの武器を搭載した貨物船「安岳江」号は、米国がアフリカ関係各国に働きかけた影響で、南アフリカでの荷揚げを拒否されていた。中国政府は一時、本国への引き戻しも検討していたが、アンゴラ政府が「米国の警告を無視して」ルアンダ港への寄港を許可。だが、「米国の面子を考えた」とされる同政府は、ジンバブエ向け武器の荷揚げは許可せず、自国向け貨物の荷揚げのみを許可した。

また、「正常な軍事用品の貿易取引」として、米国や西洋諸国から阻止されたとするジンバブエが25日、アンゴラ政府に特使を送ったとも伝えられている。記事では、今回のルアンダ寄港は「計画通りの経路」とし、「安岳江」号は今後も計画通り航行を続けると結んでいる。

さて、やがて帰港してくるであろう「安岳江」号の中には「ジンバブエに輸出予定であったハズの武器一式が、キチンと積まれたままになっているであろうか?

真実はどうか?どこかの新聞が更に取材を続けてほしいと個人的に切望している。

それにしても、今回はたまたま中国だが、世界平和を推進していくためのフロントランナーであるはずの国連安保理の常任理事国が世界における武器売買の、特に武器輸出の中心国っていう構図を、「国連第一主義」の日本人が問題にしないのは、一体何故なんだろうと初めて疑問に思ってからもうすぐ20年かあ。

最近じゃ殆んど機能不全に陥っている国際連合、いや「連合国支配体制」
そろそろ歴史的使命を終えて、発展的解体を目指すべき時が来てるのではなかろうか。

2008/4/29  22:07

毎年毎年ついついわすれてしまうこと  政治

毎年4月28日を「独立記念日」にしようと各方面へ呼びかけようとして、気がつくと4月28日が終わってしまっているのだ。

この件というのは、これは私と違って毎年しっかりアピール成されておられる、小堀桂一郎・東京大学名誉教授の言葉をお借りすれば「昭和27年4月28日、日本対連合国間の平和条約が効力を発生し、我が国は敗戦から生じていた旧交戦国相手の物的心的負債を全て清算し、完全な独立国家主権を回復した」(平成20年4月28日 産経新聞)日本国並びに日本国民において誠に記念すべき日である、という主張である。
ちなみに小堀桂一郎氏は「主権回復記念日」という名称を主張なされておられる。

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