2008/7/17  2:34

今も昔も  ニュース

女子大生がどこかの大聖堂に落書きをして、お詫び行脚をしたというニュースを耳にして、それに対する反応は「情けない」「何考えてんだ」など、厳しいものがほとんどのようで。

で、この文をご覧下さい。


『金堂が焼けたと思ったら、金閣が燃えてしまった。(略)境内は、何一つ変わっていなかったが、見物の方には新風俗が見られた。青苔を踏みにじり、女を追う紳士、赤松によじ登り、下のカメラにポーズする女性、石を拾い、池に向かってピッチングの練習のごときものをする学生。
鹿苑寺の番人たちは、声をからして怒号するが、衆寡敵せぬ有り様で(略)。』


以上の引用は、小林秀雄のエッセイ集『常識について』(角川文庫)中の「金閣焼亡」からですが、書かれたのは何と昭和25年9月。
こんな昔から何やってんだ日本人は。


※まあ、この文章は、このエッセイでは所謂「つかみ」で、この後の急展開が面白いのですが、本筋から離れるので割愛します。

それにしても、本当に日本人は、いつからこんなにダラシガナイ民族になってしまったのでしょうか。上記のエッセイの中で小林氏が「新しい風俗」と書いていたので、戦後からなのか、それともそれ以前からダラシガナイところはあったけれども、少なくとも名刹を荒らしまくるほどの非常識はなかった、ということなのか。

大聖堂にラクガキした女子短大生を叱り飛ばすのは当然としても、文化に対する崇敬の念のなさは、こりゃ何とか早いうちに手を打たないと、そのうち「その民族に対して、それだけは言っちゃいけない事」を言っちゃったり、「その文化財に、それだけはしてはいけないだろうよ」お前さんよなことが起きるかもしれませんね。

「この場所はオールフリー。ただし、日本人を除く」なんてことになってからじゃ遅い。



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