2008/3/19  9:15

675.商店街のサービス事業対応  地域志向型マーケティング(CRM)

 地域・近隣型商店街のサービス事業対応について前回触れましたが、丁度07年度中小企業白書に都合の良いデータがありましたので、そのご紹介も兼ねて今回検討してみたいと思います。
 07年度中小企業白書では、多くの商店街が”衰退する”なかで活力を維持している商店街を4つのタイプに分類して、その”特徴”を整理してます。つまりそれが「活力の維持」に重要だとの指摘でしょうが、まずはこれをご紹介します。
 なお、4類型とは「広域拠点型」(県庁所在地にある中心商店街:静岡市呉服町、長野市中心、高松市・丸亀商店街など)、「新興集積型」(裏通りなどの新興部:熊本上乃裏通り)、「テーマ型」(小規模都市の中心市街地:特定のテーマ・機能に特化:長浜市、堺港市水木ロード)、「生活密着型」(徒歩圏住民へのサービスなど)ですが、一般化できそうなのは「広域拠点型」「生活密着型」かなって感じです。
 
1.商店街事業者のサービス取り組み(現在)

    クリックすると元のサイズで表示します

 これで特徴的なのは「広域拠点型」と「テーマ型」です。前者は商品の宅配・出前や購入者向けのアフターサービスで、後者は観光客を対象にしたサービスで特徴が見られます。しかし全般的に「特にサービス等を行っていない」が「生活密着型」「広域拠点型」「新興集積型」で高い回答率であることも「特徴」だと言えるでしょう。
 そして気になるのが「高齢者向け」「近隣在住者向け」「子育て関連」のサービスに対する回答率の低さであり「公共が行ってきたサービス等の受託」です。これらを総じて”従来からの商店街としての「未経験分野への挑戦」”だと理解すれば、商店街としての新規分野への挑戦能力の欠如だと言うしかない状況ではないでしょうか・・。
 「商品の宅配・出前」はさすがに「テーマ型」「生活密着型」で比較的に高い回答率ですが、これは「個店」からの回答率でしょうから、商店街としての取り組みがされれば「御用聞き」も合わせて実施できるでしょうし、配達の効率化も可能です。一種の共同化であり、集積のメリットの実現です。

2.商業者のサービス取り組み(今後)

    クリックすると元のサイズで表示します

 筆者が一番気にしている「生活密着型」では「近隣在住者向けのサービスや事業、品揃え」への回答率の高さです。いわば”当たり前”の話ですが、問題は中身の具体化でしょう。
 「高齢者向けのサービスや事業、品揃え」と「子育て関連のサービスや事業、品揃え」との関係が「個店」の限界を証明していると思えてなりません。前者への回答率はそこそこ高いのに後者への回答率の低さは、これも「個店」ベースでの対応を考えているからだと思います。「公共サービスの受託」も同じですが、結局こうした一連の「サービス」提供体制を”商店街活動(集積のメリット追求の協働事業)”として整備する方が「個店発想」よりは効果的・効率的だと思うのですがいかがでしょうか。つまり商店街活動として「一連のサービス提供」体制を整備すると言う発想があれば、回答率はもっと高くなったと筆者は思うのですが・・・。”一緒の場所に隣接して設置すれば効率的”かも!
 「安全・安心に関るサービスや事業,品揃え」もそうですが、住人にとっては「安全・安心な買物」も同じように重要であり、これらを実現するにも「個店」対応には限界があります。俗に言う「自分の店の前だけがきれい」になっても「商店街がきれいになる」とは言えないってことでしょう。”事業者”は勿論ですが”住人”との協働が不可欠です。
 「広域や全国等のものを対象としたサービスや事業」にも回答率が高いのですが、商品開発が大きな課題でしょう。「総論賛成の域から”各論賛成”に転換するにも個店発想には限界があります。本年4月からメタボ対策の義務付けがスタートしますが、これを住人サービスとして展開するには商店街と地域の医療機関の連携が有効だと思うのですがどうでしょうか。しかしいずれご紹介しますが「横浜グッズ」や「足利グッズ(たかうじ君)」と言った地域ブランドも、当時に比べれば「売りやすくなった」ことは間違いありません。
 「特に新しいサービスや事業、品揃え」は考えていない」への回答率の高さは気になります。

 つまり「現在」も「今後」も商店街としての「サービス事業」への取り組みは”行っていない”し”考えていない”ってことが比較的多数意見だってことです。しかし前回も見ましたように、世帯主年齢階層別の家族一人当たりの家計支出額(9万円超/月)の1/3強はサービスが対象ですし、非耐久財向け支出はそれ以上ですが、商店街は生鮮三品小売店は廃業し、サービス取り扱いは消極的・・となれば”衰退”は仕方ないってのが見通しになっても不思議ではありません。”商店主”はそれでも構いませんが住人の暮らしは不便になるのではないでしょうか。特に商店街を頼りにしている高齢者や子育て世帯には・・。



コメントを書く


名前

メールアドレス

URL

コメント本文(1000文字まで)

投稿キャンセル


RSS1.0