2008/3/24  9:04

677.食の安全・安心と商店街の工夫  地域志向型マーケティング(CRM)

 08年1月以降、中国産冷凍食品(餃子)を契機にして、この問題(食の安全・安心)が新たな様相を現しました。筆者も改めて実感したのですが、「加工食品」の品質管理責任は”製造業者”(製造物責任:PL)にあるのは当然すぎることですが、これが国際化(輸入依存度)が進むと”水際での防疫体制の遅れ”でこのような問題が発生するってことでした。たしかに大型小売号にとって、国際化は価格競争力を維持するには重要でしょうが、これとは違った流通の仕組も並存可能なはずです。
 文科省による4万校調査によれば606校が中国産冷凍食品を使用してたそうですし(日経08年2月5日)、これを機に給食には地元産重視といった考え方も増えそうです。そこでコミュニティを重視した安全・安心の提供が商店街の役割といった問題を考えてみたいと思います。

1.地産地消への期待(農水省の検討)

 「地産地消」は、考えてみると、大量流通の仕組が一般化したいま、さまざまな問題提起を含んでいるように思います。「地元でとれた産物を地元で消費する」ってだけの意味でもなさそう・・。

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 筆者らが「流通」研究を始めたころ「生産と消費との乖離」を調整するのが流通であり、「大量生産と大量消費との乖離」調整機構としての流通の生産性向上が”流通近代化”だってことでした。そして大型店(流通近代化の旗手)が成長し、大量生産体制も”国際化と共に効率化”し、一方大型店も商品調達を国際化した結果が「食料自給率の低下」を加速させたのだろうと思います。”経済合理性”が問題です。
 ここで改めて地産地消への期待を見直してみると「新鮮で美味しい」「値段の安い」「どのようにつくられたか分かる安心できる(生産履歴)」食べ物の提供が挙げられてますが、極めて”当たり前のことが期待される”地産地消ってなんだ!って疑問がわきませんか。筆者の誤解かもしれませんが、大量流通の仕組だけでは、とくに生鮮三品では「値段が安い」はなんとか対応できても、”美味しい”とか”生産履歴”とかへの対応には限界があるってことではないでしょうか。とくに”海外依存”の分野ではPL(製造物責任)の考え方も”基準”も違うでしょうし、なによりも”製造委託・輸入業者のコスト意識”にも問題があったのではなおいでしょうか。

2.地元直売所で全国農産物直販

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 ちょうど昭和45(1970年)に米国西海岸に”流通視察”に行ったとき、郊外部のSC見学の帰路に立ち寄ったのがファーマーズマーケットでした。そこで横浜市中華街にいたと言う”おねーちゃん”のお勧めで食べた”ラーメン”が記憶にのこってます(久しぶりの”いつもの”味でした)。直売所とはまさに”ファーマーズマーケット”なのです(ちょっと思い出話)。
 筆者の直売所イメージは現地産品の直売所で”土産品”でしたが、上掲資料ではその限界を乗り越えて異産地との連携を目指しているように思えます。JA千葉の事例では岩手(りんご)、和歌山(ミカン、柿)を仕入れて販売、「JAみらい」(千葉のJA)が和歌山(ニンジン)「山形」(花卉)に販売。糸満市でも岩手(りんご)和歌山(みかん)を仕入れて、。他県に水産物を販売など連携です(地元消費者への直接販売:脱土産屋さん)。
 またJA千葉では他県からの仕入れ品を含めて売上の品目別ランキング情報も地元生産者に提供している様子、まさに生産者への市場情報の提供ですから、今後の作付け決定(生産計画)にとっても有効でしょう(消費者ニーズの把握と生産構造の変化)。

 もともと生鮮三品流通は既存の「中央卸売り市場」の仕組があり、ここに大型小売業が成立して以来市場外流通の割合が増え、それと大型”産地化”が平行して生鮮物流通の”効率化・近代化”が促進された結果が商店街からの生鮮三品小売店の撤退だったように思えます。それがさらに大型店の国際調達を促進し、農業の衰退や自給率低下も促進しているように感じます。では新しい生鮮三品流通のあり方は・・、新たな農業の担い手が確保できて「美味しい」「生産履歴」「安い」が実現できる仕組は何か、商店街に「直売所」を持ってくるのは一つのアイデアに違いありません。
 若干コンセプトは違いますが、八戸市では屋台村「みろく横丁」で地元産品でグルメ提供、竹田市では近郊農村部にある農産加工品の販売所を商店街に、愛知県でも「週末の八百屋さん募集」(起業援助)として「直売所」(みたいなもの)を支援するようです(日経07年1月1日)が、かなり多くの商店街ではこうした「再生策」は実行可能だと思います。



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