2008/5/14  9:58

698.生活密着型商店街の活力維持は・・  地域志向型マーケティング(CRM)

 前回は広域拠点型商店街の活力維持を取り上げました。キイワードは”テナントミックス”でしたが、生活密着型商店街(あくまでも07年度中小企業白書による分類:第696回参照)の活力維持のキイワードは何でしょうか。ここで生活密着型とは”来街者のピークが午前中、50代以上が主、サービス業種がクリーニングや理美容などの最寄性サービス業種が多い”といったことのようです。これこそ商店街実態調査では”近隣型商店街”に近いイメージですから、この商店街の”活力維持”は大いに参考にしたい話題です。青森市・新町商店街、福島県・小高町(06年1月1日の合併して南相馬市小高区になった)。

1.青森市・新町商店街の概要 

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 中小企業白書では「広域型商店街」として分類されていましたから、筆者が想定していた”近隣型商店街”とは若干雰囲気が違いますが、来街者の状況では”かなり違う”ってほどでもなさそうです。「管内人口」(?)316千人であり、JR青森駅にも近接してますから青森市の中心商店街でしょう。店舗数約240店の直線型商店街で、”コンパクトシティ”の商店街として名乗りを上げた第1号かもしれません(上掲資料)。
 本商店街(振興組合)は”集客型イベントで集客しても個店の売り上げに結び付かない”(ねぶた祭りなど)ことを問題にして(HPを参照)、その対策として”一店逸品運動を開始(平成15年)。個店の魅力づくりってことでしょうが、当初の参加店は35店、平成16年には59店に増加、この運動が契機となって商店街としての組合運動が活発化したそうです。当初の成果はそこそこでも”継続すること”が重要だってことでしょうか。
 ”行政・NPOとの連携”も新町商店街の特徴かもしれません。”子育て支援施設運営”、道路を利用した”ふれあい広場”そして”宅配サービス”です。さらに加えて”タウンモビリティ”ですが、これらを総合して「福祉対応型商店街」に到達したのでしょう。
 つまり、これらのアイデアが総合された商店街コンセプトになっていて、それが顧客誘引(来街促進)力の基本になっているってことでしょうか。筆者が言う「商店街(コミュニティ)活動」です。ですからこれからの問題は、これを個店の業績にどう反映させるかが問題になりますが、一つの手がかりは一店逸品(=商品開発)と”集積のメリット”の具体化です(これについては記事がありません)。
 上掲資料で注目したいのが”各種団体の連携”です。これをいかに”タウンマネジメント”機構に育てるかですが、注目したいのが

@”あきんど隊”です。その活動記録を見ると「まちまちプラザ」開設(中心商店街の空き店舗を市が借り上げ、中心商店街等が実施する共同事業の活動拠点にした)を契機に、商店街の総合案内所、買い物荷物一時預かり、宅配事業、タウンモビリティ、協力団体の会議室など)
A汲oMOによる開業支援活動(コンサルティングなど:上掲資料参照)も注目したいと思います。パサージュで試行し一定の成果を出せば”表通り”に・・・。これでテナントミックスがある程度維持できるからです。若者を元気づけることができるかもしれません。

2.福島県・小高町「乗合タクシー」

    
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 ”デマンドバス”(予約して来てもらう)が工夫されてます。2料金制(中心部の循環は100円、郊外・中心部連絡は300円)で、タクシー料金と比較すれば大きく割安で使いやすいのが特徴でしょうか。タクシー会社から車を借り上げているのもアイデアですが、そのタクシー会社はどう感じているのか疑問もあります。”病院のついでに商店街で買い物”は実際的ですが、肝心の商店・商業の実態が分かりませんので、ここでは”来街促進策”としての有効性を指摘するに止めます。こうした地元タクシー会社と連携し、行政からの補助も受けて”交通サービス”を提供することで、商店街への来街者を確保することが可能な条件は・・・、これを整理する必要があります(地域の事情が大きく左右して一般論にはなりにくいかなって感じですが?)。
 しかし、これが効果的なら商店街主導で「来街促進」と「宅配サービス」を組み合わせることは可能でしょう。問題は交通サービスを提供しても「来る魅力」が商店街になければ”話にならない”ってことですから、この問題は改めて考える必要があります。

 前回と合わせて、商店街が衰退する要因はコミュニティの住人が「核」に求める商品・サービスと、商店街が提供している商品・サービスとの”すれ違い”がかなり大きいのではないかと思います。
 高度成長期の都市化は”画一的なニーズ”を持った消費者の大規模集積であり、”三種の神器”に象徴される”もの商品”を販売する小売店が集積していれば商店街でしたが、これからの人口減少・少子高齢なコミュニティにかっては、十分な”もの商品”を保有する住人に、それを売るだけの小売店集積では魅力を感じないことも間違いないでしょう。
 早い話が最近の話題である健康・介護・福祉、教育、安全・安心・・といった”社会的ニーズに商店街としてどう貢献するか”これに商店街の主導性が見えません。つまり高度成長期は個店主義でも”お客さん”来てくれましたが(便利でお安い買い物)、これからは”安全・安心な暮らし”への貢献者から買い物したいってことではないでしょうか。そしてこの”すれ違い”を調整するのが”テナントミックス・マネジメント”ですから、これを担当する仕組みを商店街組織に組み込む必要があるのでしょうが、それが見えてません。高松市・丸亀商店街の”所有と使用との分離”が有効な手法であることは分かっているのですが、なかなか実現しないのは”何故か”・・と、敢て疑問を投げかけておきましょうか。



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