2008/7/11 8:52
723.コミュニティビジネスを立ち上げる(2) 地域志向型マーケティング(CRM)
前回は「グループ化」と「サポーター」までをご紹介しましたが、今回は立ち上げて”小さな成功”(Step3)と”周囲の巻き込み”(Step4)をご紹介します。
繰り返しですが、商店街再生とコミュニティビジネス(CB)との関係は、地域住人の(多様な)ニーズにできるだけ対応することで商店街への”来街動機”を提供すること、そして地元滞在時間の長い高齢者や子育て中の主婦などとを巻き込んで”コミュニティの再構築”を実現することに趣旨があります。これが商店街再生の”十分条件”であり、加えて商店街の新たなビジネスモデル再構築が”必要条件”だとの区分けですから、CBは住人参加(十分条件)とテナントミックス(必要条件)の両方に関わる問題だと思います。
1.小さな成功の実証 Step3

ここでは”小さな成功”の条件を4つ挙げてます。それぞれの意味は資料をお読みいただいて、筆者の感想を述べてみたいと思います。前回はCBを商店街だけで考えるのではなく、住人主体の”動き”に商店街が”立場が異なる専門家として”支援すると言ったスタンスで上記の”必要・十分条件”を整えることを提案しましたので、下記の感想も同じ立場です。
@本物指向:徹底した顧客ニーズへの対応。これまでの商店街と住人との関わりで、果たして「顧客ニーズ」をどれほど把握できているか疑問です。ですから、この視点で”改めて住人との対面機会を増やす”ことが、これまでの”商業主体の発想”から脱皮する良い機会になると思います。
A既存事業者への配慮:WinWin関係。かりに商店街内に、当面考えているCBと競合関係になる既存の事業者がいる場合は”W−W関係”に配慮する必要があります。”お互いに”立場を用意する”ってことでしょうか。既存事業者は”一般ビジネス”ですから顧客満足の最大化であり利益志向ですが、CBは”コミュニティへの貢献であり、地域問題の解決を通した住人への満足提供でえすあから”安全・安心・快適の提供”が利益に替わるものになります。
Bオンリーワン戦略:地域資源へのこだわり。誰の真似もしないし、され難いサービス提供と言えます。特産物や歴史的文化的資源の活用、あるいは地域の課題解決への貢献を明確にする配慮です。
C助走期間の設定:リスク低減・試し運転です。CBも人間がやることですから、成功の体験がないと継続は難しいってことです。
本再生シリーズでも「こらぼ屋」(これで検索→第665・660回参照)をご紹介しましたが、ここでの”ワンデーシェフ”が上記の条件を理解するには良い事例かなと思います。是非一度ご参照ください。
2.小さな成功で周囲を巻き込む Step4

「小さな成功」とは”ある程度の安定飛行”の状態でしょう。もともとCBは小さな市場(大企業には魅力のない)が対象ですから、これだけで「維持条件」が整うとは限りませんので、次なるCBを考えなければならない場合も少なくありません。結果的には”小さな成功”をいろいろ組み合わせて運営することになるのでしょうが、それらを束ねる組織が「中間支援組織」だってことになります。「企業コンシュエルジェ」(第720回)では”お仕事します隊」「子育て応援隊」などが「小さなCB」になるのでしょう。
上掲資料では「既存ビジネス」への影響と「新たなCB」への影響の両面を指摘していますが、この問題も無視できませんが、これも”伝播”が工夫です。これで住人参加の可能性が大きくなるのではないでしょうか。「小さな成功」後の新たな展開について二つの事例をご紹介します。
@「フローレンス」(http://www.florence.or.jp/):「病児保育サービス」を”自宅で預かってくれる「支援者」と「地域の小児科医」の協力で、「ワーク・ライフ支援事業」として提供しているNPOです。「子供が急に熱を・・」で困る育児中の若い世帯を支援。→このNPOでは一定数の利用希望者(フローレンス本部に利用希望者がメールで意志表示)と協力する小児科医師そして預かってくれる「レスキュウー隊員」(希望者を一定期間教育し育成)の条件が揃えば”広域展開”しているようです。2005年開始、07年には東京都下12区でえサービス提供
ANPO「活き粋あさむし」(http://www.ikiiki-asamushi.net/):「健康なまちづくり」が基本。一人暮らしの高齢者に食事をコミュニティレストラン「浅めし食堂」(2003年開始)で提供している。青森市大字浅虫に立地し、地元食材に”こだわり”(地産地消)、こちらは「地域密着が基本」で、他地域への進出は考えていない。平成19年度地域づくり総務大臣表彰。青森市大字浅虫、温泉もあり観光客も多い。
CBとして発足しても「小さな成功」が段々大きくなると、次第に「大企業発想」が出てきたり「利益追求」が先行したりする傾向は避けられないものです。その一番の方向性は「広域展開」です。全国各地でCBの必要性は”分かる”が「何をやったら良いか分からない」場合も多く、だから”成功例”があると「お呼びがかかる」ことも多く、広域展開はし易いのが現実でしょう。そうすれば当面は事業規模も拡大し評判はそこそこに広がるし・・と言った”好循環”が生まれます。ここで”本来に回帰”する必要があります。規模拡大を選択する時には”覚悟や区切り”が必要ではないでしょうか。株式会社化するとか・・・。
基本的にCBは”隙間市場”で発足しますから、”いろいろな隙間を足し合わせ”、それに加えてボランティアとか公共的施設利用とかの”低コスト”資源を利用して、やっと「維持条件」を満たせるものでしょうから、「コミュニティへの貢献(住人からの感謝の言葉など)」を生きがいにしない担当者の「満足」は得られないって気がします。なかなか一般論にはしにくいでしょうが、この辺の気配りが商店街でどれほどできるかもCB支援の成否に影響しそうな気がします。
繰り返しですが、商店街再生とコミュニティビジネス(CB)との関係は、地域住人の(多様な)ニーズにできるだけ対応することで商店街への”来街動機”を提供すること、そして地元滞在時間の長い高齢者や子育て中の主婦などとを巻き込んで”コミュニティの再構築”を実現することに趣旨があります。これが商店街再生の”十分条件”であり、加えて商店街の新たなビジネスモデル再構築が”必要条件”だとの区分けですから、CBは住人参加(十分条件)とテナントミックス(必要条件)の両方に関わる問題だと思います。
1.小さな成功の実証 Step3
ここでは”小さな成功”の条件を4つ挙げてます。それぞれの意味は資料をお読みいただいて、筆者の感想を述べてみたいと思います。前回はCBを商店街だけで考えるのではなく、住人主体の”動き”に商店街が”立場が異なる専門家として”支援すると言ったスタンスで上記の”必要・十分条件”を整えることを提案しましたので、下記の感想も同じ立場です。
@本物指向:徹底した顧客ニーズへの対応。これまでの商店街と住人との関わりで、果たして「顧客ニーズ」をどれほど把握できているか疑問です。ですから、この視点で”改めて住人との対面機会を増やす”ことが、これまでの”商業主体の発想”から脱皮する良い機会になると思います。
A既存事業者への配慮:WinWin関係。かりに商店街内に、当面考えているCBと競合関係になる既存の事業者がいる場合は”W−W関係”に配慮する必要があります。”お互いに”立場を用意する”ってことでしょうか。既存事業者は”一般ビジネス”ですから顧客満足の最大化であり利益志向ですが、CBは”コミュニティへの貢献であり、地域問題の解決を通した住人への満足提供でえすあから”安全・安心・快適の提供”が利益に替わるものになります。
Bオンリーワン戦略:地域資源へのこだわり。誰の真似もしないし、され難いサービス提供と言えます。特産物や歴史的文化的資源の活用、あるいは地域の課題解決への貢献を明確にする配慮です。
C助走期間の設定:リスク低減・試し運転です。CBも人間がやることですから、成功の体験がないと継続は難しいってことです。
本再生シリーズでも「こらぼ屋」(これで検索→第665・660回参照)をご紹介しましたが、ここでの”ワンデーシェフ”が上記の条件を理解するには良い事例かなと思います。是非一度ご参照ください。
2.小さな成功で周囲を巻き込む Step4
「小さな成功」とは”ある程度の安定飛行”の状態でしょう。もともとCBは小さな市場(大企業には魅力のない)が対象ですから、これだけで「維持条件」が整うとは限りませんので、次なるCBを考えなければならない場合も少なくありません。結果的には”小さな成功”をいろいろ組み合わせて運営することになるのでしょうが、それらを束ねる組織が「中間支援組織」だってことになります。「企業コンシュエルジェ」(第720回)では”お仕事します隊」「子育て応援隊」などが「小さなCB」になるのでしょう。
上掲資料では「既存ビジネス」への影響と「新たなCB」への影響の両面を指摘していますが、この問題も無視できませんが、これも”伝播”が工夫です。これで住人参加の可能性が大きくなるのではないでしょうか。「小さな成功」後の新たな展開について二つの事例をご紹介します。
@「フローレンス」(http://www.florence.or.jp/):「病児保育サービス」を”自宅で預かってくれる「支援者」と「地域の小児科医」の協力で、「ワーク・ライフ支援事業」として提供しているNPOです。「子供が急に熱を・・」で困る育児中の若い世帯を支援。→このNPOでは一定数の利用希望者(フローレンス本部に利用希望者がメールで意志表示)と協力する小児科医師そして預かってくれる「レスキュウー隊員」(希望者を一定期間教育し育成)の条件が揃えば”広域展開”しているようです。2005年開始、07年には東京都下12区でえサービス提供
ANPO「活き粋あさむし」(http://www.ikiiki-asamushi.net/):「健康なまちづくり」が基本。一人暮らしの高齢者に食事をコミュニティレストラン「浅めし食堂」(2003年開始)で提供している。青森市大字浅虫に立地し、地元食材に”こだわり”(地産地消)、こちらは「地域密着が基本」で、他地域への進出は考えていない。平成19年度地域づくり総務大臣表彰。青森市大字浅虫、温泉もあり観光客も多い。
CBとして発足しても「小さな成功」が段々大きくなると、次第に「大企業発想」が出てきたり「利益追求」が先行したりする傾向は避けられないものです。その一番の方向性は「広域展開」です。全国各地でCBの必要性は”分かる”が「何をやったら良いか分からない」場合も多く、だから”成功例”があると「お呼びがかかる」ことも多く、広域展開はし易いのが現実でしょう。そうすれば当面は事業規模も拡大し評判はそこそこに広がるし・・と言った”好循環”が生まれます。ここで”本来に回帰”する必要があります。規模拡大を選択する時には”覚悟や区切り”が必要ではないでしょうか。株式会社化するとか・・・。
基本的にCBは”隙間市場”で発足しますから、”いろいろな隙間を足し合わせ”、それに加えてボランティアとか公共的施設利用とかの”低コスト”資源を利用して、やっと「維持条件」を満たせるものでしょうから、「コミュニティへの貢献(住人からの感謝の言葉など)」を生きがいにしない担当者の「満足」は得られないって気がします。なかなか一般論にはしにくいでしょうが、この辺の気配りが商店街でどれほどできるかもCB支援の成否に影響しそうな気がします。
