2008/7/25  8:49

729.コンパクトシティに向けた各国の動き  地域志向型マーケティング(CRM)

 商店街再生とはコンパクトシティにおける”コミュニティの核”になることだと考え、コミュニティの問題も若干考えましたが、改めて”コンパクトシティとは何?”を考える気分になってきkました。「コンパクトシティ」で本再生シリーズ内で検索しましたら162件ありましたから、そこそこ”触れて”はいたのでしょうが、いささか散漫だったのかも知れません。新しいものでは第704回「コンパクトシティのコミュニティは少子高齢」(人口予測)、第708回「ニューアーバニズム」(都市論)、第709回「コンパクトシティの原則」(新しい都市計画の原則)、第710回「コンパクトシティにおける商店街」(コ
ミュンニティの課題解決に貢献)などの議論をしてきました。
 都市論に関して振り返ってみれば、産業革命以降の”工業化社会の都市”に必要な商店街が果たすべき都市の住人に対する役割と、これからの”資源循環型社会の都市”に必要な商店街の役割の違いを明確に意識して、それなりの対応を果たすことが商店街再生の意味であり、前者の意味で”商売繁盛”を回復しようと言う発想が”活性化”だと思うのですが、ここのご理解が得られにくかったのでですが、お陰様で筆者なりに”分かりかけてきた”ようです。それにしても「コンパクトシティとは・・、とりわけ工業化社会の都市との違いは何か」、この問題をしばらく考えてみたいと思った次第です。そして商店街は”何をすること”(再生戦略)が、コミュニティ住人の暮らしに貢献することになるのかな・・・を考え、どんな体制が必要になるのか(チャンドラー先生の枠組み)と言う手順になるのではないでしょうか。

1.コンパクトシティに向けた各国の動きー欧州都市と日本)
 
 たまたま興味ある論文(名城大学 海道清信教授)に出合いましたので、それをご紹介しながら先進各国のコンパクトシティへの動きを概観してみたいと思います。「都市と環境維持」「持続可能性(サスティナブル)」がこれからの都市とそこでの住人の暮らしとますます密接になってきているのが実感です。

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 上掲資料中「黒字」は本文「青字」は筆者の感想です。全般的に感じられることは「郊外開発」の抑制ではないでしょうか。我が国の直近の”街づくり三法改正”の中でコンパクトシティが出てきたのもこれらの”一連の流れ”だったことが了解できますが、これを日本で実行可能かと言うと”なかなか難しい”と思います。ドイツのBプラン(詳細計画)に関しての筆者の感想ですが、特に重視される「住人参加」への住人意識の希薄さが気になるからです。たとえば大店立地法での出店希望者がする事前説明会に出席する「住民」の少なさを忘れることが出来ません(開催の仕方、広報の仕方の問題もあるでしょうが)。
 「英国」では基本的に「田園都市」構想(本再生シリーズで検索可能)。ハワードによる20世紀初頭の都市計画の考え方であり、ここでも環境の維持や”都市と農村の長所の統合”が基調になっています。
 「米国」の「スマートグロース(Smart Growth)」(運動と書いてある)は1990年代に入って一般化が進んだようですが、「行財政コスト」「環境保護」「交通問題」「自動車利用」などの諸問題を何とか解決しようとする都市計画の考え方のようです(いずれ機会を改めて検討します)。「サスティナブルな都市圏政策」(比較的広域で、いまの道州制にも通じそうです)であり、従来の「個別的施設整備」を中心にした制度体系から、むしろ「計画」をベースとして環境形成に係る各種主体の意向を総合的に調整する仕組み、市民(NPO、NGO、ボランティアなど)との対話型、縦割り行政志向であり(とりわけ環境問題には「県」では対応不能な問題も多い)、「公平な街づくり」が重視されると書かれてました。重要なので例示します。
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 スプロールを助長するような宅地開発する人は、基盤整備費用も全額自己負担すべきだし、中心市街地の再開発に貢献する投資にはインセンティブを⇒これが公平性であり、受益者負担原則も”公平性”だろうと思われますから、今後この議論が活発になるのではないでしょうか。中心市街地活性化は”受益(補助金)”だけで”活性化なし(無責任な負担なし)”、だから商業者に偏った”活性化策は終わったのが三法改正だった(目標設定)。
(直近の中心市街地活性化法改正におけるブレーキとアクセルと同じ)
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 「計画をベース」としても、それを行政主導でやると”問題”(独裁・独善だ・・)もあるでしょうが、各種主体の”総合的な調整を重視しながら”だってことならOKだってことでしょうか。大店立地法でも”複数県にまたがるような広域的調整”が必要であってもそれが実現しにくいのも、縦割り行政の問題でしょう。
 当然”船頭多くして、船、山に登る”ってこともありますから、商店街再生にとっては「商店街のリーダシップ」(=何かと頼りになる商店街の皆様)が極めて重要になることは間違いないでしょう。

2.これからの街づくりは・・・
    
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 上記の「公平性」は今後一層重要性を増す概念だと思いますが、とりわけ「環境」とか「持続可能性」に対する”公平”です。中心市街地を活性化することが、これからの少子高齢社会を乗り越えるに必要だ(前回が行財政的視点でしたが)とすれば、これに対する様々な「当事者」のそれぞれの役割が”割り当て”られることになるでしょう。早い話が中心市街地活性化基本計画では「歩行者通行量」の目標設定ですし、そのための計画ですから、それに反する「個人の自由」(自分の土地で何の商売やるのもおれの勝手)には当然ペナルティがあることになります(住人全体の利益の阻害になる可能性)。ですから、今後は上記の資料にあるような”コミュニティとしての大きな課題”(”おいらの商売には関係ねーよ”でも)に貢献することが”商店街のリーダシップ”だろうと思います。

 ”これからの街づくり”に関して、商店街が考えるべき課題に関する筆者の感想です。
@「ローカリゼーション」:”わが街意識”をどう育てるか、まさに”コミュニティ再構築”の問題ですから、いまのところは”小学校との連携”を起爆剤にするのが良さそうだと考えています。もちろん”お祭り”も一つですが、もう少し”日常的”な場が必要です。
A「農業・自然の保全」:農業体験、休日菜園、ファーマーズマーケット(産直市場)・・
B「アクセッシビリティ」:来街動機の多様化(高齢者・子育て支援、居住環境整備など)。もちろん”交通手段”の問題はありますが、それ以上に”行ってみようって気分” になる理由を多様化すること(脱買物場所→”ひまつぶし”)。
C「地域自冶」:自冶会との交流促進、商店街内部に”三世代たまり場設置”など
D「ストック活用」:既存施設の有効利用、居住環境整備に関するサービス充実など
 「コンパクトシティ」がこれからの”望ましい都市像”なら、そこの住人の暮らし(国民生活白書では”心の充足”を重視する住人が多数派)の充実に貢献するには・・と言う視点からの商店街再生でしょう。



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