2008/8/8  8:39

735.コンパクトシティの戦略目標としての”都市農業”  商店街再生の研究プロジェクト

 そもそも「商店街再生」でなぜ農業問題を考えることになったかは、第730回「コンパクトシティ問題の広がり」が一つの契機でした。つまりこの”コンパクトシティ問題”は、単に都市の縮小ではなく住人の新しいライフスタイル問題であり、「都市農業」を「場」として都市の住人と農村の住人とが新しい”結びつき”を実現することで、両者にとっての新しいライフスタイルを作り出すことだってことを考えています。
 丁度、国全体でも「地域の再生」が話題だし、「食料自給」(農漁業)が問題にもなっているし、「環境」問題もかなり”逼迫して”来ているなど、多くの面で”高度成長期の仕組み”(=あるいは産業革命を契機とした工業化社会の仕組みかも)からの転換をどうするか・・って枠組みの中で、既存の商店街が保有している「コミュニティの核としての”場所(空間)”」の活用は、最近はやりの”必要な財源”を補完するものになるかも・・と思えてなりません。
 つまり商店街を再生して事業者からの税収をコミュニティ再生に投資すると言う「好循環」で考えるのではなく、それこそ人と人との”つながり”を回復してソーシャルキャピタルを醸成して、住人の「心の満足」に貢献できる商店街に転換するって話にすれば、”必要な財源”問題も、いささかは軽減するのではないでしょうか。財源問題も”経済的資源”だけでなく”社会的資源”の発想が必要だし、農業問題を考え出したら商店街問題との類似性もあって、両者を”一連托生”で考えるのも一つの視点かなって思い始めました。
 さて「都市農業」ですが、農水省のHP調べてみると「食料・農業・農村基本法」第36条第2項で”都市及びその周辺における農業”であり、消費地に近い利点を生かした農業だと定義してました。またこれは偶然ですが、杉並区HPでは”都市計画法における市街化区域内にある農地・農業で、1991年制定の生産緑地法により生産緑地の指定を受けた固定資産税の減免措置があり・・・、”将来的には”消失”する(市街地化)農地・農業だとしています。しかし”人口減少”時代に入って、市街地面積を縮小しようって流れを前提にすれば、農水省の定義程度で良いかなと思います。

1.都市農業の現状は(2005年現在)

    クリックすると元のサイズで表示します

 都市農村の特徴を「農林金融」(2006年3月: 
 http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0603re3.pdf )では以下のように説明していました。なお、→以降は引用者コメント。

@面積の大幅な縮小→食料自給の観点からは縮小防止が課題。縮小は後継者不足などだから、都市住人の参加があれば課題解決は可能。顔が見える産直も一つ
A兼業農家が大半だが、専業も混在→兼業は農業所得が原因。高付加価値化を実現する。直販で対応できないか
B高齢者が多い→新たな担い手が不可欠。元気な高齢者やフリーター対策
C多品種少量生産への取り組みが多く、植木・花卉・伝統野菜等の高度技術、地域特性適合がある→これkもそ農商工連携で新たな可能性
D消費者との距離が近く、直売への取り組みも多い→農商工連携で新たな可能性
E農地維持意欲が強い→市民農園、休日菜園、農業塾などの新たな事業化
F市民の都市農地に対する理解に期待が大きい→農・都市住民交流

 こう考えてみると、商店街が独自の商品開発をして大型店との差別化を実現できる可能性は農商工連携においては、かなり大きいのではないでしょうか(利益は仕入れにあり)。

2.都市農村との連携の”効果”(住人サービスの多様化)

    クリックすると元のサイズで表示します

 都市農業は新鮮な農産物供給にとどまらず、さまざまな効果を都市住民に提供しているってことですから、これも商店街と住人との”つながり”を強化し、加えて農村住人との”つなり”支援までも視野にいれれば、一層の”関係強化”になるのではないでしょうか。
@緑地空間、景観形成など”うるおい。いやし、ゆとり”(心の満足)
A市民農園等の利用で健康増進など
B都市部の生活環境保全など
D新鮮で安全・安心な野菜等の供給・・・・・・(上掲資料参照)

 「神奈川県都市農業推進条例」(平成18年4月1日施行)では”食料等の安定供給と農業の有する多面的な機能(良好な環境・景観の形成、県土の保持、水源の涵養、自然環境の保持、文化の伝承、情操の涵養)発揮を目的として、都市農業の推進を図るそうです。条例の第7条”都市農業の継続的な発展のために必要な12の施策”を規定してますが、「生産の安定化・高度化」などが主で、「地産地消の推進」「地域の農地を活かした県民と農業者の交流の推進」もありましたが、その具体化をどうするか、これは分かりません。流れに沿って考えれば、脱工業化社会の商店街を考えるのは「商業・サービス業」が主役なのが自然で、したがって仕事は「仕入れ」以上に「顧客満足への貢献」を”考えること”でしょう。
 また小田原市で「都市農業成長特区」を制定して、農林畜産物特産品開発事業やブランド推進協会事業、オーナー制度、小田原自由市場、いきいき農業塾、新援農システム等への農業生産法人以外の参入を可能にしているようです。
 つまり今回もそうなのですが、商店街活性化は「地域計画」(昭和45年頃が最初)から始まって改正前の中心市街地活性化「基本計画」までは、一部の商店街を除き”失敗の連続”だったのが商店街活性化でした。筆者の「商店街再生」は「活性化事業の延長戦上には展望なし」ってことで「パラダイム転換」(脱工業化社会)して「新たな商店街像」だってことですから、すべて「仮設」に過ぎません。ですからその検証も「断片」に過ぎませんが、まあ、いろいろ積み上げていけばそのうち・・・・と個人的には楽観しています。しかし商店街は”やってみる”ことが大事じゃないでしょうか。

ーーーーーー来週は”遊びに行きますので(バカンス)、本再生シリーズはお休みにします。エアコンなしの暮らしは”憧れますね。1週間が限度でしょうが・・・。鮎の塩焼きで一献、そしてカラオケで拍手を頂いて・・・・・、−−−−−−−−



コメントを書く


名前

メールアドレス

URL

コメント本文(1000文字まで)

投稿キャンセル


RSS1.0