2008/7/23 23:42
HANK 米国政治
これまで長い時間をかけて米国議会において議論されてきた住宅ローン関連法案が、本日下院で可決された。後は上院の可決を経て、大統領が署名すれば成立する。
米政府は今週中の成立を期待する旨声明を出している。市場も好感した模様だ。
法案の内容は日本でも報道されていると思うのでここでは触れないが、この1年間世界を騒がせてきたサブプライム・ローンに端を発する金融市場の混乱は、一人の男の存在を抜きにしては語れない。
ヘンリー・ポールソン米財務長官(Henry Paulson Jr.)。
経済にそれほど関心がない人でも新聞やテレビで名前くらいは知っていると思うが、日本にいると属人的な彼の類稀なる能力は恐らく報道されていないと思うので、簡単に紹介してみることとしたい。
もしも、彼が財務長官を務めていなければ、マーケットはもっと混乱していただろうし、その悪影響は米国経済のみならず世界経済にも波及していただろう。
その意味で救世主的な存在と言えるかもしれない。
2006年夏、ブッシュ大統領に請われ、元ゴールドマン・サックス最高経営責任者(CEO)から財務長官に抜擢された。
米国では、閣僚になるためには上院の承認を経なければならない。
現在のように議会与党と政権政党とが異なる分割政府(divided government)の場合、大統領に指名された閣僚候補者に対し議会から反対の声が発せられることも多いのだが、彼の場合はそのようなことはなかった。
政党色が薄いことに加え、ウォール・ストリートの隅から隅まで知り尽くした人間に対し、文句の付け様がなかったのだろう。
僕も何度か会ったことがあるが、少し対面しただけで、
元フットボール選手として敵を倒し続けた力強さとバード・ウォッチングを愛する自然愛好家としての朴訥とした優しさを兼ね備えているのが感じられる。
辛口の米国メディアでさえ、彼を悪く言うことは非常に少ない。
何より評価されるべきは、彼のリーダーシップ。
決断と実行。
言葉にすると非常にシンプルだが、マーケットに誰よりも精通しているので、決断がとにかく早い。移り気なマーケット心理に対して先手を打つことの重要性を熟知している。
加えて前例にとらわれない。斬新なアイデアを次々と打ち出す柔軟性がある。
そして、決断した後の迅速な行動。
部下に任せるのではなく、自ら率先して動く。
最も骨の折れる議会との調整に自ら積極的に乗り出し、議会指導部と直接ディールする方式。
若かりし頃の一時期を除けば、インサイド・ベルトウェイの経験が皆無にも拘わらず、類稀なる調整能力を発揮している。
コミュニケーション能力も卓越している。
オバマ氏のように流暢で雄弁に語りかけるわけではない。
寧ろその逆で、所々言葉がつかえるのだが、記者会見や講演の質疑応答では、全て自分の言葉で丁寧に分かりやすく伝えようとする。
何より感心するのは、決して逃げない。
彼の率いる財務省の人間は公言して憚らない。
組織を率いるポールソン長官を誇りに思うと。
オバマ氏のように人々に明るい希望や夢を与えるわけではない。
しかし、人々が絶望の谷に落ちないように体を張って必死に食い止めている。
ダートマス大学在籍中にアメリカン・フットボールで全米東部代表に選抜された、若かりし頃のポールソン長官は、あまりのタフさに”Hank(Henryの愛称) the Hammer”と呼ばれていたとのこと。
そのタフネスは同大学では今でも伝説となっているようだが、米国そして世界の経済というとてつもなく大きなフィールドでその伝説は今もなお生き続けているように見える。
米政府は今週中の成立を期待する旨声明を出している。市場も好感した模様だ。
法案の内容は日本でも報道されていると思うのでここでは触れないが、この1年間世界を騒がせてきたサブプライム・ローンに端を発する金融市場の混乱は、一人の男の存在を抜きにしては語れない。
ヘンリー・ポールソン米財務長官(Henry Paulson Jr.)。
経済にそれほど関心がない人でも新聞やテレビで名前くらいは知っていると思うが、日本にいると属人的な彼の類稀なる能力は恐らく報道されていないと思うので、簡単に紹介してみることとしたい。
もしも、彼が財務長官を務めていなければ、マーケットはもっと混乱していただろうし、その悪影響は米国経済のみならず世界経済にも波及していただろう。
その意味で救世主的な存在と言えるかもしれない。
2006年夏、ブッシュ大統領に請われ、元ゴールドマン・サックス最高経営責任者(CEO)から財務長官に抜擢された。
米国では、閣僚になるためには上院の承認を経なければならない。
現在のように議会与党と政権政党とが異なる分割政府(divided government)の場合、大統領に指名された閣僚候補者に対し議会から反対の声が発せられることも多いのだが、彼の場合はそのようなことはなかった。
政党色が薄いことに加え、ウォール・ストリートの隅から隅まで知り尽くした人間に対し、文句の付け様がなかったのだろう。
僕も何度か会ったことがあるが、少し対面しただけで、
元フットボール選手として敵を倒し続けた力強さとバード・ウォッチングを愛する自然愛好家としての朴訥とした優しさを兼ね備えているのが感じられる。
辛口の米国メディアでさえ、彼を悪く言うことは非常に少ない。
何より評価されるべきは、彼のリーダーシップ。
決断と実行。
言葉にすると非常にシンプルだが、マーケットに誰よりも精通しているので、決断がとにかく早い。移り気なマーケット心理に対して先手を打つことの重要性を熟知している。
加えて前例にとらわれない。斬新なアイデアを次々と打ち出す柔軟性がある。
そして、決断した後の迅速な行動。
部下に任せるのではなく、自ら率先して動く。
最も骨の折れる議会との調整に自ら積極的に乗り出し、議会指導部と直接ディールする方式。
若かりし頃の一時期を除けば、インサイド・ベルトウェイの経験が皆無にも拘わらず、類稀なる調整能力を発揮している。
コミュニケーション能力も卓越している。
オバマ氏のように流暢で雄弁に語りかけるわけではない。
寧ろその逆で、所々言葉がつかえるのだが、記者会見や講演の質疑応答では、全て自分の言葉で丁寧に分かりやすく伝えようとする。
何より感心するのは、決して逃げない。
彼の率いる財務省の人間は公言して憚らない。
組織を率いるポールソン長官を誇りに思うと。
オバマ氏のように人々に明るい希望や夢を与えるわけではない。
しかし、人々が絶望の谷に落ちないように体を張って必死に食い止めている。
ダートマス大学在籍中にアメリカン・フットボールで全米東部代表に選抜された、若かりし頃のポールソン長官は、あまりのタフさに”Hank(Henryの愛称) the Hammer”と呼ばれていたとのこと。
そのタフネスは同大学では今でも伝説となっているようだが、米国そして世界の経済というとてつもなく大きなフィールドでその伝説は今もなお生き続けているように見える。
2008/8/2 7:59
投稿者:Hawk
2008/7/25 0:11
投稿者:やすたろう
かっこいい、すごくかっこいいよ。
こういう人を要職に抜擢できるあたり、
なんていうか、すごく当たり前だけどうらやましいね。
こういう人を要職に抜擢できるあたり、
なんていうか、すごく当たり前だけどうらやましいね。




本日内閣改造があったようですね。
ある程度好意的に見ていますが、細かな論評は控えます。
組織のトップには、物事を判断する上での自分なりの座標軸と、物後を進めていく上での目標となる自分なりのビジョンを持っていてもらいたいものです。