2008/4/4 21:15
Visionaries: Interviews With Fashion Designers 文化・芸術
久々レビューは、Fashion系の洋書!
・・・って、
「へ?もりをちゃんが ファッション??
公園で会うと 決まって
ユ○クロとG○PとM○JIしか着てない
もりをちゃんが???(腹叩いて笑う)」
みたいなことになってる
ご友人各位の姿が脳裏をよぎりますが、
あなどることなかれ(?)
実はワタクシ、かつて
スーパーモデル(殊に リンダ・エヴァンジェリスタ)に
大変お熱だった時代がありまして、
彼女のヴィジュアル見たさに
日米両国のファッション誌を買い漁り、
月曜の夜には 滅多なことでは見ないTVをONして
ミサ(ファッション通信)を楽しみ、
しまいには クラウディア・シファーや
シンディ・クロフォードの写真片手に
美容室に飛び込み、
「こんな風にしてください!」と
無茶(ホンットに無茶)なオーダーを出して
美容師さんを困らせたという、
かなりイタイ過去の持ち主なのだ。
嗚呼、思い出すだに恥ずかしい。
とは言え、この本を手に取ったのは
モデル(ファッション)熱も だいぶ冷めた頃。
当時、相棒じょにまの米国留学にあやかって、
美大で細々と絵の勉強をしていた私は、
授業がない日ともなれば
自宅近くの本屋さんに足繁く通っていた。
今では日本でも 珍しくないのかもしれないけど、
その本屋さんは
併設してるカフェにてコーヒー(有料)を飲みつつ
自由に本を閲覧しても良い、という
実に画期的なシステムを採用していた。
さながらコーヒー付きの図書館である。
これなら、高価で手が出ない画集なんかも
バンバン手に取って眺めることが出来る。
おまけに2Fに位置するカフェからは
公園の緑を楽しむことも出来て、
今思えば 全くもって心身共にリラックス出来る
greatな空間だった。
例のごとく前置きが長いのですが
とにかく そういうことで(?)
その いつもの本屋さんにて、ふと手にしたのが
英国のファッションエディター、
Susannah Frankel女史 著の
"Visionaries"というハードカバーの大型本。
洋書では良くあることだけど、
まず その装丁の美しさと楽しさに
何だか心奪われてしまった。

これが装丁フロントの写真ね。
Valentinoのハンドペイントが施された
クチュールドレスを着たモデルが
実にかわゆく 笑っている。しかも裸足である。
やられた。レジ直行(笑)。
肝心の内容はと言いますと、
Susannahさんが 過去数年に渡って行った
デザイナー23名とのインタビューを、
ファッション写真と共に載せる・・・というものなんですが、
これがもう凄い。
まず、収録されたクチュリエはアルファベット順で
Alexander Mcqueen, Azzedine Alaia
Clements Ribeiro, Dolce&Gabbana
Donatella Versace, Helmut Lang
Hussein Chalayan, Issey Miyake
Jean Paul Gaultier, John Galliano
Junya Watanabe, Manolo Blahnik
Martin Margiela, Paul Smith
Rei Kawakubo, Sonia Rykiel
Tanya Sarne, Tom Ford
Valentino, Vivienne Westwood
Yohji Yamamoto, Yves Saint Laurent
Zandra Rhodes・・・という、
もう ”そうそうたる”としか言いようのない面子。
それぞれ単独インタビューされてるから
好きなところから齧り読みするも由、
写真だけ眺めて ウットリするも由で、
とにもかくにも素晴らしい。
さすがに全部解説するのは無理なので
好きなトコだけ ちょこっとピックアップすると:
★Alexander Mcqueen
Bjorkの"Alarm Call"のPVや
アルバム"Homogenic"のジャケ写衣装を
手がけた英国のデザイナー。
Tattooも勇ましい Bad Boy風のルックスから
生み出されたとは到底思えない、
繊細で寓話的な
通称”スケーター”シリーズの写真が掲載されています。
一種 異様に 目と頬骨の際立ったモデルが、
狼2頭を従え、森と満月をバックに佇む様子は
ルソーの名画「カーニバルの晩」を彷彿とさせて美麗。
★Hussein Chalayan
こちらもBjorkのアルバム"Post"の
ジャケ衣装を提供した、キプロス出身のデザイナー。
元々は建築家を志していたとあって
チュールのドレス一つとっても 構築的で美しい。
St. Martins美術学校 在学時から異彩を放った彼は
卒業制作に「自宅の庭に2ヶ月埋めた
朽ち果てたドレス」を発表、
その後も 木や紙で作ったドレスを制作し、
各方面から「着られないじゃないか!」と罵倒される一方、
「彼こそ真のデザイナーだ」と賞賛をも浴びた。
現代における身体の有態に鋭く迫る彼の衣服は、
ファッションと言うよりも、最早芸術の領域に達しています。
必見!
(日本でも 美術手帖なんかで 取り上げられてましたね)
★Martin Margiela
インタビューは書面(FAX)でのやり取りのみ、
しかも その回答は一言一句添削されることが許されず、
各文は 必ず"I"ではなく"We"が用いられる、
スタッフは全員 白衣を着用、
ショーへの招待状は デザイナーの記名すらない(!)
今でこそ 珍しくはない、
こうした一種 拒絶的(変人?)とも誤解されそうな
厳密な態度、
これが私がMartin Margielaの存在を知ったときの
素直な第一印象。
この本に掲載されているビジュアルも、
通常で言う”美しい”という範疇では括られない
老人や覆面モデルを採用しているどころか、
衣装を着用していないショットまである。
一体 彼(彼ら)は、
私達を翻弄しようとしてるだけなのか・・・
というと、それは決してそうではなくて、
衣類と それを纏う人に対して、
可能な限り誠実になろうとすれば
自ずと こういうことになってきちゃうのか・・・と
何だか妙に 説得されてしまうから不思議なのだ。
★Rei Kawakubo
ご存知 日本が誇るComme des Garconsのデザイナー。
80年代、Yohji Yamamotoと共に
所謂”ぼろルック”でパリを席巻、
一躍 時代の寵児となった。
西洋ファッションの伝統が生み出した
女性の理想的な身体像を 打ち壊す激しさに、
本書でも見られるバルーンドレスとバレエシューズの
繊細さも 持ち合わせて 今もってしても新鮮。
・・・とまぁ、これ以上やると十八番の
マラソンレビューにも つながりかねないので
ココらで止めておこ(^^;
ファッションっていうと、一見 表面的で浅薄な物と
先入観で切って捨てたくもなるけれど、
やはり堅固な哲学を持ち、かつ
社会へ正しくアプローチしているデザイナーの物は、
買える、買えないは別としても(笑)
見る人に 多大なインパクトを与えるんだな、
ということを、
改めて認識させてくれた一冊なのでした。
最近、和訳も出てきたらしいので
チャンスがあれば ちら見してみてね。
きっとレジに直行したくなるから!?
・・・って、
「へ?もりをちゃんが ファッション??
公園で会うと 決まって
ユ○クロとG○PとM○JIしか着てない
もりをちゃんが???(腹叩いて笑う)」
みたいなことになってる
ご友人各位の姿が脳裏をよぎりますが、
あなどることなかれ(?)
実はワタクシ、かつて
スーパーモデル(殊に リンダ・エヴァンジェリスタ)に
大変お熱だった時代がありまして、
彼女のヴィジュアル見たさに
日米両国のファッション誌を買い漁り、
月曜の夜には 滅多なことでは見ないTVをONして
ミサ(ファッション通信)を楽しみ、
しまいには クラウディア・シファーや
シンディ・クロフォードの写真片手に
美容室に飛び込み、
「こんな風にしてください!」と
無茶(ホンットに無茶)なオーダーを出して
美容師さんを困らせたという、
かなりイタイ過去の持ち主なのだ。
嗚呼、思い出すだに恥ずかしい。
とは言え、この本を手に取ったのは
モデル(ファッション)熱も だいぶ冷めた頃。
当時、相棒じょにまの米国留学にあやかって、
美大で細々と絵の勉強をしていた私は、
授業がない日ともなれば
自宅近くの本屋さんに足繁く通っていた。
今では日本でも 珍しくないのかもしれないけど、
その本屋さんは
併設してるカフェにてコーヒー(有料)を飲みつつ
自由に本を閲覧しても良い、という
実に画期的なシステムを採用していた。
さながらコーヒー付きの図書館である。
これなら、高価で手が出ない画集なんかも
バンバン手に取って眺めることが出来る。
おまけに2Fに位置するカフェからは
公園の緑を楽しむことも出来て、
今思えば 全くもって心身共にリラックス出来る
greatな空間だった。
例のごとく前置きが長いのですが
とにかく そういうことで(?)
その いつもの本屋さんにて、ふと手にしたのが
英国のファッションエディター、
Susannah Frankel女史 著の
"Visionaries"というハードカバーの大型本。
洋書では良くあることだけど、
まず その装丁の美しさと楽しさに
何だか心奪われてしまった。
これが装丁フロントの写真ね。
Valentinoのハンドペイントが施された
クチュールドレスを着たモデルが
実にかわゆく 笑っている。しかも裸足である。
やられた。レジ直行(笑)。
肝心の内容はと言いますと、
Susannahさんが 過去数年に渡って行った
デザイナー23名とのインタビューを、
ファッション写真と共に載せる・・・というものなんですが、
これがもう凄い。
まず、収録されたクチュリエはアルファベット順で
Alexander Mcqueen, Azzedine Alaia
Clements Ribeiro, Dolce&Gabbana
Donatella Versace, Helmut Lang
Hussein Chalayan, Issey Miyake
Jean Paul Gaultier, John Galliano
Junya Watanabe, Manolo Blahnik
Martin Margiela, Paul Smith
Rei Kawakubo, Sonia Rykiel
Tanya Sarne, Tom Ford
Valentino, Vivienne Westwood
Yohji Yamamoto, Yves Saint Laurent
Zandra Rhodes・・・という、
もう ”そうそうたる”としか言いようのない面子。
それぞれ単独インタビューされてるから
好きなところから齧り読みするも由、
写真だけ眺めて ウットリするも由で、
とにもかくにも素晴らしい。
さすがに全部解説するのは無理なので
好きなトコだけ ちょこっとピックアップすると:
★Alexander Mcqueen
Bjorkの"Alarm Call"のPVや
アルバム"Homogenic"のジャケ写衣装を
手がけた英国のデザイナー。
Tattooも勇ましい Bad Boy風のルックスから
生み出されたとは到底思えない、
繊細で寓話的な
通称”スケーター”シリーズの写真が掲載されています。
一種 異様に 目と頬骨の際立ったモデルが、
狼2頭を従え、森と満月をバックに佇む様子は
ルソーの名画「カーニバルの晩」を彷彿とさせて美麗。
★Hussein Chalayan
こちらもBjorkのアルバム"Post"の
ジャケ衣装を提供した、キプロス出身のデザイナー。
元々は建築家を志していたとあって
チュールのドレス一つとっても 構築的で美しい。
St. Martins美術学校 在学時から異彩を放った彼は
卒業制作に「自宅の庭に2ヶ月埋めた
朽ち果てたドレス」を発表、
その後も 木や紙で作ったドレスを制作し、
各方面から「着られないじゃないか!」と罵倒される一方、
「彼こそ真のデザイナーだ」と賞賛をも浴びた。
現代における身体の有態に鋭く迫る彼の衣服は、
ファッションと言うよりも、最早芸術の領域に達しています。
必見!
(日本でも 美術手帖なんかで 取り上げられてましたね)
★Martin Margiela
インタビューは書面(FAX)でのやり取りのみ、
しかも その回答は一言一句添削されることが許されず、
各文は 必ず"I"ではなく"We"が用いられる、
スタッフは全員 白衣を着用、
ショーへの招待状は デザイナーの記名すらない(!)
今でこそ 珍しくはない、
こうした一種 拒絶的(変人?)とも誤解されそうな
厳密な態度、
これが私がMartin Margielaの存在を知ったときの
素直な第一印象。
この本に掲載されているビジュアルも、
通常で言う”美しい”という範疇では括られない
老人や覆面モデルを採用しているどころか、
衣装を着用していないショットまである。
一体 彼(彼ら)は、
私達を翻弄しようとしてるだけなのか・・・
というと、それは決してそうではなくて、
衣類と それを纏う人に対して、
可能な限り誠実になろうとすれば
自ずと こういうことになってきちゃうのか・・・と
何だか妙に 説得されてしまうから不思議なのだ。
★Rei Kawakubo
ご存知 日本が誇るComme des Garconsのデザイナー。
80年代、Yohji Yamamotoと共に
所謂”ぼろルック”でパリを席巻、
一躍 時代の寵児となった。
西洋ファッションの伝統が生み出した
女性の理想的な身体像を 打ち壊す激しさに、
本書でも見られるバルーンドレスとバレエシューズの
繊細さも 持ち合わせて 今もってしても新鮮。
・・・とまぁ、これ以上やると十八番の
マラソンレビューにも つながりかねないので
ココらで止めておこ(^^;
ファッションっていうと、一見 表面的で浅薄な物と
先入観で切って捨てたくもなるけれど、
やはり堅固な哲学を持ち、かつ
社会へ正しくアプローチしているデザイナーの物は、
買える、買えないは別としても(笑)
見る人に 多大なインパクトを与えるんだな、
ということを、
改めて認識させてくれた一冊なのでした。
最近、和訳も出てきたらしいので
チャンスがあれば ちら見してみてね。
きっとレジに直行したくなるから!?








