2007/10/9  23:27

繭で作った花…「花まゆ」の作品展示を観て…No1  日記(今日思うこと)

「花まゆ」…私がこの言葉を目にしたのは、半年近く前だっただろうか…或る月刊誌で花嫁ブーケの写真を見た時だった。それまで、ブーケと言えば『生花が一番』と思っていた私にとって、衝撃的と言っても過言ではなかった。掲載されていた「花まゆ」のブーケには、柔らかくそして気品溢れる美しさが溢れていた。
クリックすると元のサイズで表示します 繭で出来たブライダルブーケ。
繭をピンクに染めたブーケ。クリックすると元のサイズで表示します


気になって調べてみると、作者は名古屋市在住の酒井登巳子さん。造花作家として35年間、シルク等を使用して花を作られ、各地で教室を持って教えられている。酒井さんが繭を使って花を作る契機となったのは、18年前、養蚕農家から依頼を受けた生徒さんが「繭を使って何か出来ないでしょうか?」と持ち込んだ事だそうで、試行錯誤の上、現在の作り方を編み出されたという。中でも生糸生産の副産物として焼却処分にされていた「くず繭」を使用して作られた花は、生成り色が自然で、味わいも深く、私は1度生で見てみたいと思っていた。そんな折、東京に住む知人から、7月に東京高島屋にて「花まゆ」の個展が開かれると聞いたが、渡米した事もあって上京する事は出来ず、名古屋のギャラリーも訪れる機会が無いままとなっていた。
クリックすると元のサイズで表示します くず繭で作られた椿の花

私は仕事柄か、祖母を始めとする親族の形見として、紬系の織りの着物(以下和服)を貰う事が多く、手元には何枚かの普段着の和服が集まって来ている。その和服達の裄(袖丈)を直して、何時でも着られる状態にはしているが、最近和服を着る…と言えば、冠婚葬祭となってしまい、なかなか普段着に手を通す機会が減っている。そこで友人と相談し普段着の和服を着て出かけよう…という日を決めて有志を募り「着物会」と名付けていた。第1回は2月に開催、梅を観に出かけた(当ブログでも紹介した)のだが、以降、友達は病院勤めの為、休みが合わず、やっと9月24日に都合がつく運びとなった。今年の9月は暑かったので、私達は始め美術館にでも行こうと思っていたが、ふと「花まゆ」ギャラリーに寄ろうと思い立った。すると偶然、名古屋市内のヒルトンホテル地下のヒルトンプラザで展示があるとHPを観て知り、嬉々として出かけて行ったのである。
クリックすると元のサイズで表示します繭で作られたススキの生け込み
萩の花の拡大(於ヒルトンプラザ)
クリックすると元のサイズで表示します

『控え目に輝く、乳白色の丸くて小さな繭、
とても軽く、掌にそっと載せて、軽く握ってみたら、私の体温と同化したように温かい。
そしてしっかりとした固さ。
握ってみるとカラカラと乾いた音がして、蚕の存在をしっかりと伝えています。
「ごめんなさい」と言って鋏を入れます。
中には小さな仏様のような乾燥した蛹。
「粗末にしないように大切に使わせて頂きます」ともう1度鋏を入れます。 
内側は、お蚕さんが頭をフリフリ一生懸命、無心に糸を吐き続けて作った層があります。
「ありがとう」お蚕さんに想いを馳せながら、
その層を一枚一枚剥いで行くと、花びらが生まれます。
透ける程に薄い花びらは、羽根のように軽く、優しい光沢があり、
繭独自の丸さが、自然のふくらみを与えてくれます。
そのふくらみを大切にして、指先をそっと添えてまとめると、花になります。
花は光を浴びると麗しい輝きを放ち、風を受ければゆらゆらと軽やかに揺らぐ。
自然に溶け込む程の透明感を持って、愛らしく…
まるでお蚕さんの囁きが聞こえて来るような、心和む花となります。
繭から生まれた花は、繭が生んだ花。
繭で花を作るのではなく、繭が花を作らせてくれる「花まゆ」になるのです』。 

-写真集「繭から生まれた花」より引用-
クリックすると元のサイズで表示します しだれ桜…日本の繭で日本の花。


★「花まゆ」酒井登巳子さんの公式HP
http://www5e.biglobe.ne.jp/~hanamayu/
※於ヒルトンプラザ以外の写真は、写真集「繭から生まれた花」より転写。



2008/5/31  11:20

投稿者:神谷 倫子

結婚祝いのお返しに可愛いブーケを戴きました。
確かテレビで拝見した記憶があります・
私は名古屋在住です。
淡い優しさ溢れるお花、素敵です。
思わず書いてしまいました。

2007/10/12  16:16

投稿者:ほたる
☆メリンダ社長様へ

社長様、お忙しい中、いつもきちんとコメントして頂きありがとうございます。

>「お蚕さんと言う響きは」懐かしいものがありますね。

はい。私もとても懐かしい響きです。
特に祖母は「お蚕様」と呼んでいました。
何となく呼び捨てに出来ない、気高さがあるのですね。

>昔は農家では皆お蚕さんを飼っていたものでしたが、
繭で作った花は見た事が無いですが、
その柔かい品の良さは想像できますね。 

私も初めて見た時は、感動物でした。
染められている色合いも素敵ですが、生成りのままの花に特に惹かれました。

>お蚕さんの囁きが聞こえて来るような、心和む花。
まさにそうなのでしょうね。

そうなのです。この酒井さんの言葉…写真集の前書きなのですが、
温かくて、味わいがあり、本当に繭を大事になさっている想いが伝わってきました。
ご本人とお目にかかれず残念だったのですが、今度国外での個展も開かれるとのこと。。
きっと、品のある素敵な方だと思っています。いつかお会いしたいです。

2007/10/11  16:42

投稿者:melinda

お蚕さんと言う響きは」懐かしいものがありますね。
昔は農家では皆お蚕さんを飼っていたものでしたが、
繭で作った花は見た事が無いですが、
その柔かい品の良さは想像できますね。 
お蚕さんの囁きが聞こえて来るような、心和む花。
まさにそうなのでしょうね。

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