2008/7/24  22:04

860:子守勝手神社  分類なし

 竹林を抜けて、子守勝手神社に向かう細い道にでると、そこはすっと視界が開ける。天気が良ければ、穏やかで明るい鄙びた里山の風景が上手に切り取られた切り絵ように、目に馴染む。

 緩やかな勾配を上がると、本当にささやかな幸せを願うに相応しい子守勝手神社の鳥居が声もなく佇んでいる。鳥居の先には石段が真っ直ぐに続いている。石段を登りきると清楚で明るめの木の色合いが心を穏やかにしてくれる社が目に入る。

 心静かに願い事をするのに本当に相応しい場所である。すぐそばにある光明寺とは対照的である。壮麗さを感じさせる光明寺に対し、日常のかすかにうねる時間のなかに完全に埋没しきっているような子守勝手神社の風景は、人々の生活の香りがする。

 そこで願うことはささやかであることが要求される。「成功しますように・・・」「合格しますように・・・」といった願い事ではなく、「つつがなく生活できますように・・・」「今の幸せが続きますように・・・」といった静かさや穏やかさが求められるような気がしてくるから不思議である。

 そして、子守勝手神社はそういったささやかな願い事ですら聞き流しているような気がするのである。風は変わる。しかし、竹林を風が渡るとき音を立てるのはみな一緒である。そしてその音は風によって様々である。激しく揺さぶるようなときもあれば、子守唄のような穏やかさの時もある。

 子守勝手神社は人々の願い事も、風が竹林を揺らして奏でる音楽も一様に聞いている。とても長い間、無数の声や音を聞いている。そして、聞いてはいるがそれらに動じる様子はまったくないのである。

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 先日M5さんのお宅で聴かせていただきとても感動した柴草玲「うつせみソナタ」が今日届いた。どの曲も素晴らしいが、ラストを飾る「前山にて」が、私は一番好きである。「山の音がする 山の匂いがする」という歌いだしで始まるこの曲、すっと別世界に運んでくれる。

 先日もそうであったが、この曲を聴くと、故郷の長岡京市の子守勝手神社のことが思い出される。緩やかな稜線を描く西山の麓にひっそりと佇む子守勝手神社のことが・・・

(明日と明後日は旅行の予定が入っているため更新はお休みします。次回の更新は27日の予定です。)



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