2008/4/24  9:27

時の人、高橋 洋一氏に実際に会ってきました。  分類なし

昨日の夕方、いま、時の人である高橋洋一氏に実際に会ってきました。

高橋氏は大変忙しい方なので、わずか30分か40分程度の短い時間でしたが、実際にお会いしてみて、「勝海舟が21世紀に生まれ変わって、天才になったら、こんな人になるのではないだろうか・・・」との深い感銘を受けた。まさしく珠玉の数十分だった。

この春、高橋洋一氏の名著であり学術書でもある財投改革の経済学を読んで、私は、まさしく「目から鱗、金融政策の開眼書!」と大感激していた。

とくに、財投改革の経済学の最終章「第九章 ほかの政策への影響」は、ものすごい力作だ。第九章を、私は幾度もなめるように読んでいた。幾度も幾度もなめるように読めば、第九章といえども、凡人の私でも、なんとか理解できるたのである。

高橋洋一氏本人からも直接伺ってみたら、やはり「第九章 ほかの政策への影響」は、やはり高橋氏にとっても「自信作でもあり、自分にとっても一番のお勧め個所」との話だった。

さらに、「『財投改革の経済学』は、もともとはもっともっと長い文章だった。本当は、上巻と下巻とに分けて出版したかったのだが、東洋経済新報社のほうが、『あまり長いと本が売れない』ということで、上下に分けないで、半分程度に削除して出版することになって、残念だった」旨を高橋先生から直接教えて頂いた。

出版社の都合で削除せざるを得なかった部分をぜひとも読んでみたいと思う。

ただ地味な表題と硬い内容の学術書の割に、今回の「財投改革の経済学」はかなり良く売れたようである。(3,000部ほど売れたと聞こえたのだけど・・・・「学術書の場合は、わずか3,000部で、「良く売れた」となるのだろうか・・」と私は自分の耳を疑ってしまったので・・・・私の空耳だったかもしれない・・・。)

『財投改革の経済学』の第一章から第8章までは、1995年橋本内閣時代から始まった財政投融資改革の流れを、学術的に金融工学の理論に基づいて、淡々と改革を語っている。
「国民から預かった税金をリスクにさらしたり、無駄に使ってはいけない」との基本的な考えを、きっちり数字の裏付けと金融工学の考えで抑えながら、財政投融資資金改革が始まる。
その流れで、大蔵省資金運用部の解体となり、その中で、自然と、財投債発行という発想が生まれて、その中で、財投改革が始まり、結果として、郵政民営化や特殊法人改革、政策金融改革(沖縄振興開発金融公庫、国民生活金融公庫、国際協力銀行、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、日本政策投資銀行、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫などなどの、数々の「花形天下り」公的金融銀行の改革)が必然となり、可能となった話が綴られている。
この流れの中で 今は、公務員改革、人事庁新設構想が一進一退ではあるが、なんとか進んでいる(いや、改革が後戻りする中で、まだ改革を進めようとしている人がまだ残っていると表現したほうが良いのかもしれない・・・)。

私が、さらば!財務省ー官僚すべてを敵に回した男の告白を手にしたのは、「財投改革の経済学」を読んだ後だった。
まず本の表題にがっかりした。まるで暴露本のような表題だったので、本の内容ではなく、本のネーミングにがっかりしたのだ。
これでは、とんでも本である元外務省の天木氏の「さらば!外務省」(←こちらは、単純に私的な怨念がモチベーションとなっている「とんでも本」だ)と同列の扱われてしまうのではないかと、ちょっとだけ心配になった。

高橋氏ご本人も、「さらざ財務省!」というネーミングには、すこぶる不本意を感じていらっしゃったようだが、講談社から、「とにかく今は、読者に実際に本を手にとってもらうことが大切なので、こういった表題が良い」と説得させられてしまったという。

さらば!財務省ー完了すべてを敵に回した男の告白は、学術書ではないので、経済政策や金融政策に疎い人でも、とても読みやすい図書だ。
けれども、一般の暴露本では決してない。「さらば財務省」は暴露本でも告白本でもどちらでも決してない。
私なども霞が関と永田町とマスコミは織りなす世界は、魑魅魍魎(ちみもうりょう)として、まったく理解不能なのだが、そういった政治が苦手な素人にとっては、「さらざ!財務省」は、現代の日本政治経済入門書とも言うべき名著である。マスコミが流す情報がいかにお粗末であるかということも、手に取るように詳細に記してある。やはり新聞の(特に政治欄!)は、お粗末だったから一般人には理解不能だったのだ。若いころの私は政治には全く無関心になってしまっていたし、現代の若者が政治に無関心になってしまうのも無理はないと思う。
だから、「さらば財務省!」は個人的には「現代 日本政治経済入門」と題名を換えて出版しなおしてほしいくらいだ。
これを読めば、たいていの若者も、今の日本の政治が大変な岐路に立たされていることが理解できると思う。
「さらば財務省!」には、それほどリアルにここ10年ほどの日本の霞が関と永田町が織りなした「人間叙事詩」が淡々と綴られている。私的な怨念など露も欠片(かけら)も微塵もないりっぱな政治経済の入門図書である。

高橋洋一氏は、東京大学理学部数学科に進まれた天才だ。
数学は小学校のころから得意だったようだ。中学生のときには、大学レベルの数学が理解できたと、「さらば財務省」でも記されている。
本来 数学者を志していた高橋洋一氏が、なぜ、ひょんなことから大蔵省に就職してしまったのかも、「さらば・・」に詳述されている。
こういった人が金融に興味を持つとまさに「鬼に金棒」になる。
あっという間に、次々と先端の会計知識や経済知識や金融知識やIT知識を身に付けてゆく様子が「さらば・・・」に如実に記されている。
高橋氏は公僕として、粛々と最新の金融理論に忠実に業務をこなしていると、いつの間にか、「必然として」財務省と霞ヶ関の一番の花形の天下り先に手をつけてしまわなければならなくなる。花形の日本政策投資銀行や国際協力銀行などをはじめとする政策金融改革に手をつけなければならなくなって、財務省から大変睨まれてしまうことになったようだ。

「正しい」「フェアな」経済理論や会計理論や金融理論は、元来人々の生活を豊かにする。
そういった「正しい」「フェアな」ことは、ただ とても地味で、ある意味難解でもあり、人の目に触れにくい。
その「正しい」経済理論を改革として推し進めようとすると、いまや霞が関が最大かつ最強の抵抗勢力に成り下がってしまっている。
そんな話が「さらば・・・」では、誰にもわかりやすく記されている。
(私などは、そんな霞ヶ関の体たらくには、まさしく気が遠くなりそうだけど・・・・)

今日は、我が家の東京での新居に、やっとブロードバンドの工事が来てくれる日です。
整理整頓の苦手な私が、家の中の大掃除をする日なのだ。
もっともっと記したいことがあるのですが、今日は、とりあえず、ここまで・・・。
(To Be Continued・・・・)

【追記】読みやすいように 誤字脱字を直しました。(つもり・・・)



2008/4/26  23:44

投稿者:貞子ちゃん

斉藤久典さん おひさしぶりです(^^

久しぶりにコメントいただいて、とても光栄です。

エスプレッソでの、いつも読み応えのあるブログありがとうございます。更新楽しみにしています。

「さらば財務省」は、お勧め本ですよね。

思うに、わかりやすい文章というのは、本当にわかっている人じゃないと書けないのではないか、と、いつも思ってます。私の経験則から言って、そう思います。
やたら権威主義的な修飾語や専門用語を駆使している人に限って、その言葉の定義すら理解していない場合が多いです。

高橋氏ほどの才能のある人だからこそ、(そして、才能のある人ほど、ひょうひょうとして群れをなさないことが多い)、改革や霞ヶ関事情について、判りやすい文章が書けたのだと思います。

自信の無い人ほど、すぐ群れます。(すぐ派閥を作ろうとする・・・)

群れない斉藤マスターのブログも、私は大好きです。

2008/4/26  19:21

投稿者:斉藤久典
http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/archives/51979211.html

私も、この本はお薦めです。どんな風に実際の政策が作られてゆくのか?その過程が分かりやすい。

2008/4/25  21:19

投稿者:キン

こんばんは、貞子さん(貞子ちゃんの方がいいのかな?)
はじめましてのご挨拶が抜けていました。
あらためて、はじめまして ですね

高橋氏のように政治についても分かり易く話をしてくれれば、もっと興味が持てるのですが、マスコミの報道は新聞社としての思惑があるのか、個々の官僚について語る事はないし、歯切れが悪いですね。池田信夫先生もブログで書いていましたが、「政治家」「マスコミ」「官僚」はジャンケンポンの関係にあるので、情報が得られなくなることを恐れてマスコミは官僚を批判する記事は書きにくいということなのでしょうか。

今月の文芸春秋、さっそく読んでみることにします。
確かに、いまいちな表題ですが、それで読む人が増えるのなら、まぁそこは出版社の裁量の範囲という事で。

2008/4/25  14:36

投稿者:恩田川 鴨次郎

「この世に偶然など存在しない、すべては必然だ。」というフレーズがあります。
非常に興味深いですね。
半導体や青色ダイオードなども確か偶然の積み重ねがヒットして新発見に結びつくということがあります。
高橋洋一氏の場合も、たまたま、理数系知能の持ち主が経済学部に籍を置いたために大蔵省のキャリアに混ざり、その組織と化学反応を起こして新発見に結びついた。

大蔵省といわず、技術革新のスピードが遅い時代は、過去の判例、法律を覚えていてそれを踏襲して問題解決すればよかったので官僚は法学部でよかったのだと思う。

しかし、21世紀になり技術革新、インターネットによるグローバル化、知の輻輳的ネットワーク化により時代環境が異なるフェイズに突入していることを感じます。

それは勿論普通の会社でも進行中であり、おやじで、OfficeやPPT、メールを使いこなせない人はかなりあせりを感じている筈。

時代というのはゆっくりした大河の流れのように、徐々にではあるが確実に移っていくのですね。

2008/4/25  9:34

投稿者:貞子ちゃん

キンさん はじめましてあったでしょうあか・・・。
「さらば財務省」は名著ですよね。
高橋氏をブレインとして頼りにしている政治家は多いらしいです。ただ、今の永田町の人事権は官房長官にあって、いまの官房長官は高橋さんがお嫌いなようで、高橋さんは、今は全くの無償で、渡辺金融庁長官など若手の改革派の政治家のブレインとして、お手伝いなさっているようです。
高橋氏もマスコミは苦手なようですが、今は開き直って、マスコミ取材もなるべく受けるようになさっているような感じがしました。
文芸春秋の5月号の表題「官僚帝国の反逆者と呼ばれてー見えない官僚支配を打破しな限り未来はないー」というセンセーショナルなネーミングも、ご本人は「おれに相談なく決まった表題なんだ」と、かなり情けながってらしゃいましたが・・・。(^^;

2008/4/24  23:38

投稿者:貞子ちゃん

Tomoさん こんばんは!(^^
副島隆彦って人の本はブログ界ではそれなりに話題の方のようですが、私は一度も読んだことないんですよね。
「連鎖する大暴落」って題名からして、怪しげですね。(^^;

今日は、このブログの読者の方に紹介していただいた「レアメタルパニック(光文社)」を暇なときに読んでましたが、けっこう 面白かったです。
(って、行政改革のブログ更新したら、またほかのほうへ興味が飛んでしまっている自分に 自分でちょっと呆れていますが・・・(^。^
いつも、まぁ、だいたい判ると、すぐ横道へそれるというか、どこが横道なのか 自分でも良くわからない状態ですが・・・。
投資本は、山崎元氏が書かれたものなら、まず内容は間違いないとは思います。

金融経済系の雑誌なら、フィナンシャルジャパン(木村剛発行人)を1〜2年続けて定期購読すると、だいたいのことが判るようになります。
あえらの最新号の「女は黙ってアセットアロケーション」というコーナーも、けっこうよく出来上がっていました。

2008/4/24  23:23

投稿者:キン
http://d.hatena.ne.jp/kin3hama/20080422

「さらば財務省」は名作ですね。僕のような経済について門外漢でも理解できる内容でした。

財投の分析をした仕事を「まるで難解な方程式を解いた後のような満足感があった」と語っていた高橋氏の言葉が印象的でした。

2008/4/24  21:54

投稿者:Tomo

こんにちは、私も高橋洋一氏の「さらば財務省」はこのHPでしって読みました。大変勉強になりました。「財政改革の経済学」は、本屋で立ち読みしたんですけど、難しすぎてだめでした。><
 最近は、経済にも興味あって、よく本屋をうろつのですが、この前爆弾をよむ怖さをしったばかり。(なんせ、文系の人の本なんてあんま読んだこと無いので、どんな人の本を読んだらいいのか全然わからない)また、いい本あったら教えてください。^^
 

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