2008/5/7  20:21

新生ロシアは北海道と日本の電力会社に食指を動かす?  分類なし

ここ三日ほど、私の頭の中で、ぐるぐるぐるぐる回っているのが、「新生ロシアは、北海道や日本の9電力会社に食指を動かしている????」といった考えだ。
江の島の海を眺めていても、この考えが頭の中でグルグルぐるぐる回っていた。

切っ掛けは、「フィナンシャル・ジャパン2008年5月号ーロシア経済まるかじりー」を読んでから・・・。
以前、「日本の選択」でピーター・タスカも、こういった内容の話をさらっと記していたので、そのときも、ぎょっとしたが、こういった内容に出会うのが二度目となると、本当に、かなり、ぎょっとする。

フィナンシャル・ジャパン5月号に、佐藤 優さんと手島 龍一さんの対談が載っていた。
佐藤 優さんは「国家の罠」を記した人で、元外務省の人。
手島 龍一さんは、「ウルトラダラー」を記した人で、元NHKワシントン支局長。

このキャラの濃い二人が対談しているのだから、内容が濃くないわけがない。
アレルギー体質のある人なら、発作が起きてしまいそうな内容だ。

でも、この二人の言っていることは、たぶん、当たっている。(と思う。)

グローバル・レベルでは、もう帝国主義が復活しているのだ。
以前私のブログでも幾度か記したことだが、フラット化する世界とは、グローバル・レベルでは帝国主義の復活なのだ。
自由主義経済圏では、グローバル企業が「帝国」と化して、国境をどんどん溶かして行っている。かたや、元共産主義圏(正確には中国はまだ共産主義なのだが・・・)では、中国やロシアのように、「新ファシズム国家」「新国家主義国家」「新帝国主義国家」が誕生している。

(以下 フィナンシャルジャパン5月号より、一部抜粋引用)

手島:21世紀初頭の世界では、従来の主権国家は溶けかかっている。ところが、ロシアは、国家主権をむしろ際立たせているように見えます。新政権は(プーチンとメドベージェフの)二頭体制といわれているが、やはりプーチンという指導者の影響力は侮れません。
佐藤:プーチンという人物を見る際には、彼が3段階の変化を遂げてきたことに注目する必要があります。・・・・・(プーチンは)最後段階に至って、「私は神によって大統領に選ばれたのだ」と考え始めた。・・・・
・・・・・・(中略)・・・
佐藤:私はロシアのある資本家に「JR北海道はいつ上場しますか?」ときかれたことがある。
手島:満鉄が持っていた戦略的重要性を思い起こせば、JR北海道への(ロシアの)投資の意図は透けて見えてきます。・・・ロシアの投資家は、・・・・北海道は買いと考えています。・・・・


さらに、フィナンシャル・ジャパン5月号の中津孝司氏(大阪商業大学教授)の「ロシアが日本のエネルギー安全保障の手綱を握る日」というのも、なんともリアルである。

(以下 一部抜粋引用)
・・・・・(ロシアのガスプロムが)エンドユーザーに直接アクセスできるメリットは、効率性の点からも大きい。これは何も(ロシアの)ガスプロムに限らず、(アメリカの)エクソンモービルなどの世界のエネルギー企業も進めてきた戦略だ。実際にガスプロムは、欧州で同様の戦略を進めてきた前科がある。・・・・・・・・
すなわち、それはクレムリンが日本の生命線を握ったことを意味する。
・・・・・(中略)・・・・
エンドユーザーを握られている場合は、公益事業としてあってはならないことだが、ガスや電気が止まる事態も想定しなけらばならない。・・・・・


以下、私見。

今は、国内電力の10%を卸売りしているJパワーが、イギリスTCIに20%の資本を握られるかどうかだけが、盛んに議論されていますが、もっと、視野を広げないといけない。

Jパワーなんてものは、たかだか日本の電力供給の10%を卸売りしている企業であり、私たちエンドユーザーとは、ほとんど関係ない企業である。しかも、そのJパワーの株式を20%保有したがっているTCIは、自由主義経済圏であるイギリス企業なのである。

だから、「イギリスTCIによるJパワーの株式保有率の上昇を、外為法まで発動して阻止しよう」とする動きは、全くのナンセンスであり、経産省が経産省の天下り先を死守しようとしている以外の何物でもない。

ところが、将来、日本が新生ロシア・ガスプロムから液化天然ガス(LNG)をサハリン2からパイプラインで大量に供給を受けるようになれば、ガスプロムが株式市場を通じて、日本の北海道電力や東京電力を飲み込むなんて事態が、起きかねないことになり、Jパワーの外資買収とは、話が全く違ってくるのだ。
9電力への外資買収に至ったときこそ、外為法は毅然と発動すべきなのである。

今の日本の株式市場はバーゲンセールになっている。
Jパワー程度で外為法などを発動しては、ますます、北海道電力や東京電力や関西電力などなどのエンドユーザーに関わっている9電力や、さらには、将来上場するかも知れないJR北海道の株価がますます大バーゲンセールになる危険がある。

ちなみに、ロシアのガスプロムの2007年末の時価総額は、世界第七位で、理屈だけ言えば、世界第21位のトヨタ自動車と世界第65位の三菱UFJを丸ごと飲み込むことも可能な規模(中津孝司教授氏)なのだ。



相手(新生ロシア)がこちら(日本)のエンドユーザーの生命線を握るなら、日本も相手側(新生ロシア)の生命線を握ればよいのだが・・・。そうなれば、お互いが繁栄できるのだが・・・。

今の日本が新生ロシアの生命線を握るようなことが、果たして出来るのだろうか?

日本が、相手国側の生命線を「資本の論理」で握ろうとするなら、竹中平蔵氏が指摘するように、日本だって、ロシアや中国や中東やシンガポールと同様に「国家ファンド」を作る必要も、一理はあるのだ。

が、国家公務員改革も進まないまま、人事庁の創設もままらないまま、改革が進まない今の日本で「国家ファンド」などを創設したら、かえって、日本の「国家ファンド」そのものが、日本国内の大手金融機関に騙されて婆(ババ)をつかまされて終わりそうだ。国際競争力のない日本国内の大手金融機関が、日本の「国家ファンド」を食い物にするだけで終わって、国民の税金を無駄に使ってしまうリスクが、あまりにも高過ぎる。

こういった本当の意味での、エネルギー安全保障(エンドユーザーへのエネルギー安定供給)の抱える「深刻なリスク」の話題を、国内で大真面目に議論している審議会が、この日本国内で存在しているのだろうか・・・・。
たぶん、存在していないのではないだろうか・・・(T T)

【追記】ちょっと調べてみたが、電気事業審議会のHPはここ↓。
http://www.meti.go.jp/report/committee/commi_26/g_commi.html

少なくとも、電気事業審議会では、こういった深刻なエネルギー安全保障(エンドユーザーへのエネルギーの安全供給)上のリスクについて話し合っている様子は皆無だ。それより、審議会のメンバーに電源開発(Jパワー)の社長の名前が連なっているのが、私としては、なんとも、悲しい気分をなってしまう・・・。

【追記2】一夜明けて、読みやすいように、一部文章を手直ししました。



2008/5/17  12:37

投稿者:貞子ちゃん

山上の十字架さん はじめまして。
「WTIの空売りのタイミングはいつ?」って、すごい質問ですね〜〜〜。そんなの判ったようなことを言う人は多いですが、たいてい、あたれば、「まぐれ」です。
まぁ、科学的に推論すれば、むこう2年以内は、そこそこ確実で、むこう1年後あたりから、ぼちぼち大規模空売りを始めるヘッジファンドも現れるでしょう。
こういった動きが明日起きても、不思議ではないです。
そもそも複雑系の経済学そのものが、似非科学みたいなところがあります。なにか起きた後なら、みなが納得できるような理由付け(複雑系の経済学)はできますが、なにがいつどれくらいの規模で起きるかは、神のみぞ知る世界です。
たまたま大量の資金と大勢の人脈を駆使する合理的なカリスマの予見が当たると、その人がしばらく「ヒーロー」になります。
私たちが言えることは、年老いた20世紀のヒーローたち(ジョージソロスやジムロジャーズやアラングリーンスパン)の言動に振り回されてはいけないということです。
未来は自分ひとりで創り上げるものです。

2008/5/16  19:41

投稿者:山上の十字架

WTIの空売りのタイミングはいつ?

30年前のオイル高騰時とは、確かバーレル30ドル超え(?)でしかも円が安かったから、我が日本ではガソリン1リットル200円近かったとか?
また当時「ローマクラブ」とかが、100ドル説を唱えていたそうですが、全く実現しませんでした。
逆に弊害も結構あり、高騰が続くと見込んで経済政策をとったメキシコあたりが、その後反転・急落した原油価格の影響で金融不安になったような否や?(知識曖昧で申し訳ないです)
今回でいえば、白昼夢のような建設ラッシュに沸く中東の国あたりに弊害が出てくるのでしょうか?

現状は、北海ブレントなどが10ドル割れになったことがあるなど、記憶から抜け落ちていると考えますが、いったんトレンドが変われば、半値くらいになるのは簡単だと思いますが、きっかけは何でしょうか?

ちなみに新潟沖で油田試掘などに見られるように、採算ベースが激変したことで供給量が増える可能性が生じているのは確かだと想像しますが?

是非ご意見をお願いします。

2008/5/14  9:02

投稿者:貞子ちゃん

SGWさん 始めましてだったでしょうか?(最近、コメントを残してくださる方が増ええ、愛読者のHNを覚えきれない状態です。)
液化天然ガスとパイプラインについてのご指摘あ、そのとおりと思います。そして液化天然ガスの技術は、もう25年前から、日本企業(東洋エンジニアリングや日揮)の技術が世界一で、ロシアはいずれ日揮や東洋エンジニアリングを狙って来るでしょう。
ピークオイル論については、賛否両論ありますが、私はどちらかというと、懐疑的です。
30年前の資源高騰時も、世界経済が資源高に耐えきれずに減速する一方で、オイルと競合する他の代替エネルギーが開発されて、オイルが値を下げました。たとば、オイルよりも豊富な埋蔵量の石炭の場合、オイル1バーレル85ドル程度が、石炭液化技術が商業ベースに乗れるラインです。
こうった基本を押さえずに、みなが騒ぐので、この騒ぎを眺めて、ヘッジファンドが資源市場で活躍してしまうのす。

金融理論をしらない人が、国家破たん情報に煽られて、マスコミが騒ぐから、マクロ経済に疎い財務省の財政タカ派が、まず「増税ありきの財政再建」を協調するのと、どこかしら似ています。

2008/5/14  5:18

投稿者:SGW
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/

 天然ガスはLNGに一回変えてしまえば、パイプラインは必要ありません。専用タンカーで運べます。
 LNGに液化するのにエネルギーがかなり必要なのでガスのままでパイプラインで引っ張ってくるのが効率的なだけです。
 でもまあ、サハリンから日本にまではパイプラインは引かれないと思いますが。
 そしてLNGは2010年以降は奪い合いで、日本には入ってこないのではないでしょうか。
 という話をしているのが、ピークオイル論です。


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