2008/5/11 20:24
YASUKUNI 映画
今日は十三の劇場で、友人と友人の知人の方と映画を鑑賞。
各地の映画館が右翼(左翼?)の抗議を懸念して上映を取りやめた話題作『靖国』。
私としては靖国神社を巡る問題には元々興味があったし、
そうした形で話題になっているのであればますます見たいと思う気持ちも募る。
そんな折に友人から、見に行かないかと誘いを受けた。
まさしく渡りに船のタイミング。
ありがたく誘いをお受けすることにして今日の鑑賞と相成った。
さて『靖国』であるが朝イチ(?)の9時40分の回の上映を鑑賞。
靖国問題なんてお堅いテーマの映画だし、朝も早いし、
そんなに混んでいることはあるまいと思っていたのだが、劇場はかなりの人出。
劇場前には行列が出来ていて、入場整理券が配られていた。
結局、映画館だけでは観客をさばき切れずに
下のフロアの中華料理店に臨時の上映場が設営されていた。
私たちが入ったのはこちらの方。
中華料理店の宴会場とおぼしき場所に椅子を並べただけの簡易な会場。
まあ、臨時で設えたものだけにこれはこれで致し方ないのかな。

映画の方は、
NHKが作りそうなタッチの靖国神社に密着取材したドキュメンタリー。
主に取り上げられているのは8月15日の靖国神社の表情。
かつての軍隊経験者とおぼしき軍服姿の老人たちの一団や、
右翼団体の構成員とおぼしき若者・壮年が参拝していく姿が映し出される。
いずれもどことなく気負った風で「英霊」を称え、感謝の気持ちを捧げる。
そして、「英霊」をないがしろにする現代「日本」への苛立ちを声高に表明していく。
まぎれもなくここが一つのイデオロギーのシンボルであることを実感。
取材時期はちょうどライオン丸首相の参拝問題の時期であったようで、
参拝することの是非についての人々の声やら、パフォーマンスやらも映されている。
まあ靖国神社の境内でのインタビューなので当然のことながら賛成の声多し。
一方で、肉親の合祀を取り下げて欲しいと嘆願する戦没者の遺族の姿も描かれていた。
宗教上の理由で合祀取り下げを求める僧侶、
日本への恨みを述べて父の合祀取り下げを求める台湾人女性。
あるいはライオン丸首相の靖国参拝反対を唱えて袋だたきに遭う若者の姿も描かれる。
右の方が主なのだが、場所が場所だけに靖国には強烈なイデオロギーの人々が集まる。
中にはあまりにも軍国主義色が強烈で見ていて思わず絶句してしまった人もいた。
映画全体を見ていて感じたことは、
人々の靖国神社に対する思いの深さ。
肉親を亡くしているからこそ、友人を亡くしているからこそ、
人々は靖国に対して激しい気持ちがほとばさせる。それが愛であれ憎しみであれ。
私は靖国神社を決して肯定はしないけれども、
ここが日本人にとって重要な場所であることは否定しない。
そこに過去に滅びたはずの軍国主義という負のイデオロギーが綿々息づいているから。
そうした形で、戦前の尻尾を切らずに依然として引きずっている日本を感じるから。
しかし、そうした理屈は抜きにしても、
靖国神社は戦没者の遺族など、人々の思いがぎゅっと詰まっている場所である。
例えば肉親を失った無念、例えば「英霊」に対する誓い、
そうした人々の靖国に対する激烈な思いに比して、
依怙地になって8月15日の参拝を決行しようとする首相の言葉のなんと軽々しいことか。
こうした靖国神社を巡る人々の姿を描きながら、
靖国神社の神体(?)である刀が90歳(!)刀鍛冶の手で作られる過程が挿入される。
全体としてこの映画は、
靖国を是とする立場と非とする立場それぞれをすくい上げた構成のドキュメンタリー。
どちらか一方の視点に偏っているわけではなく、きわめて客観的に靖国を描いている。
靖国を理解不能なエキゾチックなものに描いているわけでもなく、
かといって軍国主義色豊かな靖国のあり方に共感しているわけでもない。
だからこそ、見終えて一つ疑問が残った。
なぜこの映画の上映を見合わせる映画館が続出したのだろうか、と。
右翼や極左の抗議・攻撃を心配しなければならないほど政治色が強い内容ではない。
たぶん、靖国神社というテーマがテーマであるゆえに
要らぬ心配をして忌避する映画館が多かったのだろう。
「靖国」というのは現代の社会においては一種のタブーなのだと実感。
この映画は中身云々以前に「靖国」という記号がゆえに忌避されていたわけだ。
忌避の理由と言えば、この映画の監督が中国人だったというのも大きかったのだろう。
「中国人=靖国神社を問題視」という図式がゆえに、
内容以前に「靖国を問題視する映画」というレッテルが貼られてしまい、
それが、右翼の抗議の予測へと繋がり、上映取り止めへと駆り立てたのだろう。
映画鑑賞後は中華料理店で会食。
映画の感想も含めてさまざまな話題で大いに盛り上がった。
この日一緒に映画を鑑賞した友人の知人の方は実は私の高校の先輩にあたる。
友人からかねがね噂はうかがっていたのだが、話題が豊富で中々に魅力的な方だった。
お世話になった母校の教員のことなどで会話は弾む。
この方と私との間には15歳くらい年の差があるのだけれど、
話題に挙がる教員の大部分は私も知っている人。
このあたりはさすがに私立の学校である。
場所を喫茶店に移して15時半頃まで話し、それから友人と私は梅田へ。
梅田WINSでNHKマイルCの結果を知る。
ディープスカイ快勝。2着にブラックシュルという固い決着。
間違いなく私には買えなかった馬券。買わずにいてよかった。
ひさしぶりに劇場で映画を見たこともあって、
なんだか今日はあっという間に時間が過ぎていったような印象だった。
各地の映画館が右翼(左翼?)の抗議を懸念して上映を取りやめた話題作『靖国』。
私としては靖国神社を巡る問題には元々興味があったし、
そうした形で話題になっているのであればますます見たいと思う気持ちも募る。
そんな折に友人から、見に行かないかと誘いを受けた。
まさしく渡りに船のタイミング。
ありがたく誘いをお受けすることにして今日の鑑賞と相成った。
さて『靖国』であるが朝イチ(?)の9時40分の回の上映を鑑賞。
靖国問題なんてお堅いテーマの映画だし、朝も早いし、
そんなに混んでいることはあるまいと思っていたのだが、劇場はかなりの人出。
劇場前には行列が出来ていて、入場整理券が配られていた。
結局、映画館だけでは観客をさばき切れずに
下のフロアの中華料理店に臨時の上映場が設営されていた。
私たちが入ったのはこちらの方。
中華料理店の宴会場とおぼしき場所に椅子を並べただけの簡易な会場。
まあ、臨時で設えたものだけにこれはこれで致し方ないのかな。
映画の方は、
NHKが作りそうなタッチの靖国神社に密着取材したドキュメンタリー。
主に取り上げられているのは8月15日の靖国神社の表情。
かつての軍隊経験者とおぼしき軍服姿の老人たちの一団や、
右翼団体の構成員とおぼしき若者・壮年が参拝していく姿が映し出される。
いずれもどことなく気負った風で「英霊」を称え、感謝の気持ちを捧げる。
そして、「英霊」をないがしろにする現代「日本」への苛立ちを声高に表明していく。
まぎれもなくここが一つのイデオロギーのシンボルであることを実感。
取材時期はちょうどライオン丸首相の参拝問題の時期であったようで、
参拝することの是非についての人々の声やら、パフォーマンスやらも映されている。
まあ靖国神社の境内でのインタビューなので当然のことながら賛成の声多し。
一方で、肉親の合祀を取り下げて欲しいと嘆願する戦没者の遺族の姿も描かれていた。
宗教上の理由で合祀取り下げを求める僧侶、
日本への恨みを述べて父の合祀取り下げを求める台湾人女性。
あるいはライオン丸首相の靖国参拝反対を唱えて袋だたきに遭う若者の姿も描かれる。
右の方が主なのだが、場所が場所だけに靖国には強烈なイデオロギーの人々が集まる。
中にはあまりにも軍国主義色が強烈で見ていて思わず絶句してしまった人もいた。
映画全体を見ていて感じたことは、
人々の靖国神社に対する思いの深さ。
肉親を亡くしているからこそ、友人を亡くしているからこそ、
人々は靖国に対して激しい気持ちがほとばさせる。それが愛であれ憎しみであれ。
私は靖国神社を決して肯定はしないけれども、
ここが日本人にとって重要な場所であることは否定しない。
そこに過去に滅びたはずの軍国主義という負のイデオロギーが綿々息づいているから。
そうした形で、戦前の尻尾を切らずに依然として引きずっている日本を感じるから。
しかし、そうした理屈は抜きにしても、
靖国神社は戦没者の遺族など、人々の思いがぎゅっと詰まっている場所である。
例えば肉親を失った無念、例えば「英霊」に対する誓い、
そうした人々の靖国に対する激烈な思いに比して、
依怙地になって8月15日の参拝を決行しようとする首相の言葉のなんと軽々しいことか。
こうした靖国神社を巡る人々の姿を描きながら、
靖国神社の神体(?)である刀が90歳(!)刀鍛冶の手で作られる過程が挿入される。
全体としてこの映画は、
靖国を是とする立場と非とする立場それぞれをすくい上げた構成のドキュメンタリー。
どちらか一方の視点に偏っているわけではなく、きわめて客観的に靖国を描いている。
靖国を理解不能なエキゾチックなものに描いているわけでもなく、
かといって軍国主義色豊かな靖国のあり方に共感しているわけでもない。
だからこそ、見終えて一つ疑問が残った。
なぜこの映画の上映を見合わせる映画館が続出したのだろうか、と。
右翼や極左の抗議・攻撃を心配しなければならないほど政治色が強い内容ではない。
たぶん、靖国神社というテーマがテーマであるゆえに
要らぬ心配をして忌避する映画館が多かったのだろう。
「靖国」というのは現代の社会においては一種のタブーなのだと実感。
この映画は中身云々以前に「靖国」という記号がゆえに忌避されていたわけだ。
忌避の理由と言えば、この映画の監督が中国人だったというのも大きかったのだろう。
「中国人=靖国神社を問題視」という図式がゆえに、
内容以前に「靖国を問題視する映画」というレッテルが貼られてしまい、
それが、右翼の抗議の予測へと繋がり、上映取り止めへと駆り立てたのだろう。
映画鑑賞後は中華料理店で会食。
映画の感想も含めてさまざまな話題で大いに盛り上がった。
この日一緒に映画を鑑賞した友人の知人の方は実は私の高校の先輩にあたる。
友人からかねがね噂はうかがっていたのだが、話題が豊富で中々に魅力的な方だった。
お世話になった母校の教員のことなどで会話は弾む。
この方と私との間には15歳くらい年の差があるのだけれど、
話題に挙がる教員の大部分は私も知っている人。
このあたりはさすがに私立の学校である。
場所を喫茶店に移して15時半頃まで話し、それから友人と私は梅田へ。
梅田WINSでNHKマイルCの結果を知る。
ディープスカイ快勝。2着にブラックシュルという固い決着。
間違いなく私には買えなかった馬券。買わずにいてよかった。
ひさしぶりに劇場で映画を見たこともあって、
なんだか今日はあっという間に時間が過ぎていったような印象だった。
