2008/5/9 10:10
敵国一触即発。 日常
午前零時をまわったあたりで「芝居の鮮度より技術パートの準備優先」と言った輩に対して。慌てて外に出て深呼吸したが、主演男優から意味ありげに「お前いくつだ?」と問われてしまった。
そんなわけで先日両替のために買ったワインとビスケットで憂さ晴らししている。これでは敵国の思うつぼ、でぶってからだ壊して死ぬだけである。
そろそろやめよう、と思う午前三時。また聞いた。ぺギラ。
そんなわけで先日両替のために買ったワインとビスケットで憂さ晴らししている。これでは敵国の思うつぼ、でぶってからだ壊して死ぬだけである。
そろそろやめよう、と思う午前三時。また聞いた。ぺギラ。
2008/5/8 19:25
深夜ペタンクに興じる敵国の若者たち 日常
撮影終了後深夜三時過ぎに車で家路を急いでいますと、大通りの道端で、4人の若者がペタンクに興じているさまを目撃しました。もしかしたらあれは老人が深夜だけ若者に帰れる魔法をかけてもらって遊んでいるのではないか、と想像しました。いやぁ『コクーン』はいい映画だったなあ。お前らもちゃんとアメリカ映画見ろよ、敵国人!
2008/5/7 8:07
敵国第二戦 日常
本日も夕陽との格闘でした。
ロケハン不足で、よりによって西を背にしてしまった。。。激しく後悔……
三時間20カットの計算だ。
だが、悪戦苦闘のせいかスタッフ間に奇妙な友情関係が。。。
いまから「最終日に泣く予感2割増し」でどうする!?ここは敵国だぞ!?(涙
キミたちが一言「オルドリッチ」と言ってくれれば喜んで手を組むのだが……
それにしても疲れた。
ロケハン不足で、よりによって西を背にしてしまった。。。激しく後悔……
三時間20カットの計算だ。
だが、悪戦苦闘のせいかスタッフ間に奇妙な友情関係が。。。
いまから「最終日に泣く予感2割増し」でどうする!?ここは敵国だぞ!?(涙
キミたちが一言「オルドリッチ」と言ってくれれば喜んで手を組むのだが……
それにしても疲れた。
2008/5/6 13:48
敵国戦闘開始。 労働
クランクインさせていただきましたが、無事とは申せません。
……最終カット、リテイクだな。
欧州の夕景にだまされたよ。いわゆるつるべ落としってやつだ。わかってるつもりだったが、ああも急に来られるとは。こいつには今後も悩まされることになるだろう。何とか感覚、掴まないと。これもスキルのひとつだ。
……最終カット、リテイクだな。
欧州の夕景にだまされたよ。いわゆるつるべ落としってやつだ。わかってるつもりだったが、ああも急に来られるとは。こいつには今後も悩まされることになるだろう。何とか感覚、掴まないと。これもスキルのひとつだ。
2008/5/5 10:08
敵国戦闘前夜。 日常
昨日の『ガンファイター』の「正面切り返し」の件だが、厳密に言えばカーク・ダグラスはバストサイズで座っていてドロシー・マローンはミディアムサイズで立っている、という、五〇年代的「高低斜めに交わる視線」なので、ちがう、というばちがいますよ、もちろん、と。こうでも考えないとやってらんねーよ、という負け惜しみに過ぎないので。れいによって起き抜けから頭のなかで〈駄目な僕〉が流れてます、はい。
と書いた後に、一日じゅう仕事して帰ってきた頭のなかに流れるのはクロード・ドビュッシー〈月の光〉だったりするのですが、仮にもピアニストを目指したことのある音楽教師の息子ですんで、そんなものが一番好きだなんて告白することほど恥ずかしいことはないのですが、しかし流れてくるものはしかたない。あんな曲、映画のなかで流すのはよっぽど度胸がないとできない、とか思っていたら本年度ベストワン、いや2000年代ベストワン邦画(となるでしょう、たぶん)で見事すぎるほど見事なタイミングで流れ、十九世紀の落胤としての二十世紀に世にも美しい哀悼を捧げるようなことをしてくれているのでよけいにもう……。ああいう途方もない図々しさ(褒め言葉です、あくまで)に接すると所詮自分もまた二流の趣味人にすぎないと思い知らされますね、はい。
そんな二流の趣味人さんも、こうして世に憚った罰として、明日からクランクインするはめになっております。しかし単身赴任でドロシー・マローンとかジェーン・ラッセルとか、鼻血対象を見続けるのはちょっとしんどいため、しばらくDVDを見るのはやめようと思いますwww
ロケハン→昼食→ロケハン→衣裳購入→フィッティングと目まぐるしい一日だった。スイス在住の初井くんや先日書いた冨永組の大庭くんを含めた全スタッフが合流。
なお、この日、物を食っていて差し歯が外れる、という某批評家的悲喜劇に見舞われる。
と書いた後に、一日じゅう仕事して帰ってきた頭のなかに流れるのはクロード・ドビュッシー〈月の光〉だったりするのですが、仮にもピアニストを目指したことのある音楽教師の息子ですんで、そんなものが一番好きだなんて告白することほど恥ずかしいことはないのですが、しかし流れてくるものはしかたない。あんな曲、映画のなかで流すのはよっぽど度胸がないとできない、とか思っていたら本年度ベストワン、いや2000年代ベストワン邦画(となるでしょう、たぶん)で見事すぎるほど見事なタイミングで流れ、十九世紀の落胤としての二十世紀に世にも美しい哀悼を捧げるようなことをしてくれているのでよけいにもう……。ああいう途方もない図々しさ(褒め言葉です、あくまで)に接すると所詮自分もまた二流の趣味人にすぎないと思い知らされますね、はい。
そんな二流の趣味人さんも、こうして世に憚った罰として、明日からクランクインするはめになっております。しかし単身赴任でドロシー・マローンとかジェーン・ラッセルとか、鼻血対象を見続けるのはちょっとしんどいため、しばらくDVDを見るのはやめようと思いますwww
ロケハン→昼食→ロケハン→衣裳購入→フィッティングと目まぐるしい一日だった。スイス在住の初井くんや先日書いた冨永組の大庭くんを含めた全スタッフが合流。
なお、この日、物を食っていて差し歯が外れる、という某批評家的悲喜劇に見舞われる。
2008/5/4 7:00
休戦。 日常
撮影前の空白の一日である。
その日に思いがけず、とあるランチのご招待。ポンピドゥーセンターをはじめ、敵国各地でわれらのY提督がキジュウ作戦を展開中であることは皆さんご承知のことと思うが、そのY提督と奥方であらせられるマダムO様からの勅令である。我々いちげんさんでは決して入れないデプレ前の某店にて。ご夫妻とも本当にお元気で、お二人がうちの両親と二つしかちがわないことを考えると羨ましくさえあり、逆にこちらがパワーをいただくような状態。
その結果、冴えた頭が「お前はまだ『馬上の二人』のDVDを持っていない」という指摘を発し……というのはまったく言い訳に過ぎないが、とにかく昨日のDVD屋に再び。即ゲット。他にウォルシュ『たくましき男たち』レイ『無法の王者ジェシ・ジェイムス』、それになぜかパラジャーノフ『火の馬』ジェフ・リーバーマン『悪魔の狂暴パニック』も、気づいたら買っていた。このようなはしたない買い方はやめようとずっと心に誓ってきたのに、結局はこのていたらくである。
ということで、まずは昨日の『ガンファイター』を見たのですが……あの、ね、いやこれオルドリッチ的に失敗作であることは百も承知で、しかしどうしても威張りたいのだが、物語上決定的台詞を言うところが正面の切り返しなんですよ。まあ、たったそれだけで、っていうのもちょっとどうかと思いますが、あ、俺やっぱ映画史的に正しかったじゃん、しかも同い歳で撮ってるし、とか、普段映画史的正しさ(CCね、CCライダーよw)とかどうでもいいとか主張している割にあられもなく自己擁護に走りましたwwwじゃあ最後死んで終われや、とかぶつくさいうにちがいないオルドリッチ研究者の意見はこの際無視。そんなわけで今後、怒涛の傑作群が……とか考えてると、間に『ソドムとゴモラ』が挟まってることなど思い出して、ああ、今回のアウェイはやっぱ象徴的だなあ、と急転直下したりしています。しかしこれがジョー・バイロックであったらどうであっただろうという、アーネスト・ラズロには大変失礼ですが、つい考えてしまう映画でした。
その後、現場用腕時計を買いに出かけた。結果、敵国撮影先輩=諏訪さんにあやかってSWATCH(古ッ!)にした。
その日に思いがけず、とあるランチのご招待。ポンピドゥーセンターをはじめ、敵国各地でわれらのY提督がキジュウ作戦を展開中であることは皆さんご承知のことと思うが、そのY提督と奥方であらせられるマダムO様からの勅令である。我々いちげんさんでは決して入れないデプレ前の某店にて。ご夫妻とも本当にお元気で、お二人がうちの両親と二つしかちがわないことを考えると羨ましくさえあり、逆にこちらがパワーをいただくような状態。
その結果、冴えた頭が「お前はまだ『馬上の二人』のDVDを持っていない」という指摘を発し……というのはまったく言い訳に過ぎないが、とにかく昨日のDVD屋に再び。即ゲット。他にウォルシュ『たくましき男たち』レイ『無法の王者ジェシ・ジェイムス』、それになぜかパラジャーノフ『火の馬』ジェフ・リーバーマン『悪魔の狂暴パニック』も、気づいたら買っていた。このようなはしたない買い方はやめようとずっと心に誓ってきたのに、結局はこのていたらくである。
ということで、まずは昨日の『ガンファイター』を見たのですが……あの、ね、いやこれオルドリッチ的に失敗作であることは百も承知で、しかしどうしても威張りたいのだが、物語上決定的台詞を言うところが正面の切り返しなんですよ。まあ、たったそれだけで、っていうのもちょっとどうかと思いますが、あ、俺やっぱ映画史的に正しかったじゃん、しかも同い歳で撮ってるし、とか、普段映画史的正しさ(CCね、CCライダーよw)とかどうでもいいとか主張している割にあられもなく自己擁護に走りましたwwwじゃあ最後死んで終われや、とかぶつくさいうにちがいないオルドリッチ研究者の意見はこの際無視。そんなわけで今後、怒涛の傑作群が……とか考えてると、間に『ソドムとゴモラ』が挟まってることなど思い出して、ああ、今回のアウェイはやっぱ象徴的だなあ、と急転直下したりしています。しかしこれがジョー・バイロックであったらどうであっただろうという、アーネスト・ラズロには大変失礼ですが、つい考えてしまう映画でした。
その後、現場用腕時計を買いに出かけた。結果、敵国撮影先輩=諏訪さんにあやかってSWATCH(古ッ!)にした。
2008/5/3 12:12
敵国芳醇。 日常
一昨夜はとみやんの友人で照明助手の修行にパリに来ている大庭くんと、京都学生映画祭で審査員をしたとき以来の留学生・小山内くんとともにベルヴィルで飯を食い、久しぶりにまとまった量のワインを呑んだ。といってもたいしたものでもないが。大庭くんはなかなかにパワフルでいかにも現場叩き上げ、一方の小山内くんはどこからどう見てもインテリなキラキラした映画学徒、というまったく両極のタイプなんだが、興味深いことに偶然同じアパートに前後して住んだという。そういうこともあるのだな。しかしこうして若いひとが海外で勉強していることは、結果は問わずとても心強く感じられる。私などがやれなかったこと、身につけられなかったことなどをかれらが経験しつぎなる段階に踏み出してくれることを切に望む。
早朝起床、原稿を書いた。
郊外のラボにてキャメラテストのカラコレ。大味な民族だけになかなか指示が微妙な作業(笑)だが、キャメラマンのセバスチャンの感覚はさすがに繊細なので助かる。
午後は、前日のフィッティングで足りなかったものを探しに町をうろつき、結局レピュブリック近くのシネフィル御用達DVD屋にてホークス『栄光への道』レイ『大砂塵』オルドリッチ『ガンファイター』ポロンスキー『夕陽に向かって走れ』カネフスキー『動くな死ね甦れ』を購入。必死こいてアンソニー・マンの『西部の人』を探したが、見つからずひたすら呻吟……しかしいま調べたら今月米盤が発売に!。そのうち邦盤も出るにちがいない。しばし待ってみよう。
晩飯は中華屋で北京ダックを。あまりの美味さについワインを呑みすぎ、早々にダウン。
で、またしても午前四時に目が覚める。
早朝起床、原稿を書いた。
郊外のラボにてキャメラテストのカラコレ。大味な民族だけになかなか指示が微妙な作業(笑)だが、キャメラマンのセバスチャンの感覚はさすがに繊細なので助かる。
午後は、前日のフィッティングで足りなかったものを探しに町をうろつき、結局レピュブリック近くのシネフィル御用達DVD屋にてホークス『栄光への道』レイ『大砂塵』オルドリッチ『ガンファイター』ポロンスキー『夕陽に向かって走れ』カネフスキー『動くな死ね甦れ』を購入。必死こいてアンソニー・マンの『西部の人』を探したが、見つからずひたすら呻吟……しかしいま調べたら今月米盤が発売に!。そのうち邦盤も出るにちがいない。しばし待ってみよう。
晩飯は中華屋で北京ダックを。あまりの美味さについワインを呑みすぎ、早々にダウン。
で、またしても午前四時に目が覚める。
2008/5/2 2:21
敵国午睡。 日常
毎日朝四時に起きる。すぐにもう一度寝るが、ネットが繋がったせいで今日は起きたままアマゾンへ走る。時差ぼけと長旅で撮影前からからだはすでにガタガタだが、どうにかやりこなさねばならない。そのストレス解消。眠れぬままに朝飯を食い、洗濯の終わった頃ようやく外が明るくなる。とはいえ仕事に出かけるのはまだかなり先。
バルセロナで何度目かの秋声『あらくれ』(講談社文芸文庫版)を読了してからデュ・モーリア『レベッカ』に取り掛かったが、ここ最近のナレーション否定のせいかどうも一人称が苦手で、ここ数日はサボっている。映画がらみで言えば、秋声のほとんど前衛的なシーン割りと成瀬のそれ(その映画化版のみならず)は明らかに共通している気がするが、愛読したりしていたのだろうか。
ともあれ、昨夜セッティングを完了したDVDセットで眠れぬ夜明けに、ホークス『コンドル』の最初の夜だけ見て、ようやくそれまでのささくれた根性が和んだ。
ひとりで近所の定食屋でクスクスを食べて親父さんと仲良くなったり、通訳の松嶋さんとタイ料理屋で注文が通ってなくて喧嘩(東洋人による東洋人差別か、と)したり、いろいろだが、基本的にヘルシーを心がけた生活。
ベルヴィルの部屋からレピュブリックのオフィスまで徒歩25分。いい運動だ。
このプロジェクトは金がない。非常に切り詰めたところでやらなければならない。それはいつものことだが、短篇専門の零細プロダクションではさらにつらいものがある。それでもなんとかなるだろう。というか、なんとかしてきたし、これもそうするだけだ。
これまでさんざん敵対してきたプロデューサーとついに和解しつつ、シナリオ直しのミーティングで微妙な台詞回しに至るまで四時間がかりでチェック。しかし、言えた義理ではないが会議中の他人の煙草がつらいのは東京もパリも同様である。
本日は五月革命40周年のメーデー。青旗の大がかりなデモ行進とめっちゃかっこいい機動隊のコスチュームをしばし見物した。
パリスコープをめくると、オリヴィエの『Boarding Gate』、アルノーの『L’aimee』、ホウさんの『Le voyage du ballon rouge』、アーサー・ペンの『左ききの拳銃』、ジュールズ・ダッシン特集、ドワイヨンの『Le premier venu』、ロメールの『Les amours d’Astee et Celadon』などが目についた。若い人の映画はどれがいいのかわからない。おいおい調べて行こうと思うが、さて、これらの何本を見ることができるだろうか。
いま午睡したら、ようやく時差ぼけが取れた気がする。
バルセロナで何度目かの秋声『あらくれ』(講談社文芸文庫版)を読了してからデュ・モーリア『レベッカ』に取り掛かったが、ここ最近のナレーション否定のせいかどうも一人称が苦手で、ここ数日はサボっている。映画がらみで言えば、秋声のほとんど前衛的なシーン割りと成瀬のそれ(その映画化版のみならず)は明らかに共通している気がするが、愛読したりしていたのだろうか。
ともあれ、昨夜セッティングを完了したDVDセットで眠れぬ夜明けに、ホークス『コンドル』の最初の夜だけ見て、ようやくそれまでのささくれた根性が和んだ。
ひとりで近所の定食屋でクスクスを食べて親父さんと仲良くなったり、通訳の松嶋さんとタイ料理屋で注文が通ってなくて喧嘩(東洋人による東洋人差別か、と)したり、いろいろだが、基本的にヘルシーを心がけた生活。
ベルヴィルの部屋からレピュブリックのオフィスまで徒歩25分。いい運動だ。
このプロジェクトは金がない。非常に切り詰めたところでやらなければならない。それはいつものことだが、短篇専門の零細プロダクションではさらにつらいものがある。それでもなんとかなるだろう。というか、なんとかしてきたし、これもそうするだけだ。
これまでさんざん敵対してきたプロデューサーとついに和解しつつ、シナリオ直しのミーティングで微妙な台詞回しに至るまで四時間がかりでチェック。しかし、言えた義理ではないが会議中の他人の煙草がつらいのは東京もパリも同様である。
本日は五月革命40周年のメーデー。青旗の大がかりなデモ行進とめっちゃかっこいい機動隊のコスチュームをしばし見物した。
パリスコープをめくると、オリヴィエの『Boarding Gate』、アルノーの『L’aimee』、ホウさんの『Le voyage du ballon rouge』、アーサー・ペンの『左ききの拳銃』、ジュールズ・ダッシン特集、ドワイヨンの『Le premier venu』、ロメールの『Les amours d’Astee et Celadon』などが目についた。若い人の映画はどれがいいのかわからない。おいおい調べて行こうと思うが、さて、これらの何本を見ることができるだろうか。
いま午睡したら、ようやく時差ぼけが取れた気がする。
2008/4/30 4:04
敵国上陸。 労働
ようやく血液の数値が落ち着いてきた。病院の帰りに床屋へ。前回床屋へ行ったのは平成五年、叔父さんの葬式のとき以来。あのときは急さと悲しさのために自分で切ったひどい髪型だったので、見かねた親だったか祖母だったかに、行って来いと叩き出されたのだった。それにしても久しぶりの床屋はえらく面白かった。結婚当初、妻の友人の美容院に行っていたが、若い女性ばかりでなかなか入りづらく、いつしか行かなくなった。が、床屋だと隣に年輩の客などいれば、それと亭主の話を聞ける。いわゆる床屋談義である。別世代・別世界のひとびとのざっくばらんな話を拝聴していると、世の中いろんなことがあるということがわかる。三十分かそこらで3600円というのが高いか安いか知らないが、ひとりで坊主にするのは一時間以上かかるちょっとした難事業なのである。その三十分強を他人様の浮世話付き3600円で買ったわけだ。あまり損したという気はしない。
……と書いたのは先週の木曜のこと。
金曜の朝、成田からヘルシンキへ九時間強。二時間ほどのトランジットを経たのち、四時間ほどでバルセロナに着いた。基本的にこの十年に恩恵を蒙った「タダ旅、タダ酒」でからだを壊した、と思う。贅沢病でなくてなんだろう。とうからそういう無理の利かない年齢になっている、とよくわかっている。家を離れるだけでたんに疲れるし、精神的に参る。よほどのことがないかぎり、これが最後となる気がする。
しかし、なにしろガウディーだ。着いた日はもう薄暮で出歩くということもなかったが、翌朝ひとりでサグラダ・ファミリアへ行き、ただただ圧倒された。ああ、ここに未完成に耐えうるヨーロッパ人がいた、と。考えてみればオーソン・ウェルズ『ドン・キホーテ』を「完成」させた、といわれるスペイン人ジェス・フランコのしたことは、むしろ「未完成」の未完成たる由縁に拍車をかけた、ということかもしれない。そうしてスペインには「完成」を目指す権力の「歴史」に抵抗するエントロピーが狂おしく横溢しているのかも知れない。このエントロピーはフラグメントでできており、その集合は街にノイズを放っている。
……なあんて、たった二日でなにがわかる、というわけでQ&A一回だけですごすごとバルセロナをあとにし、日曜パリ入り。その日は通訳の松島さんとプロデューサーのジュスタンに迎えられ、飯を食ってすぐダウン。
翌月曜、朝八時より終日ロケハン。スタッフ、実に勤勉かつ優秀……といっても「うちの連中」に較べるとまだまだ、ですけど(笑)。
本日火曜も雨中市場をロケハン、続いて女優オーディション。二人会い、二人とも大変よろしくて、激しく悶絶。サラほど優秀なキャスティングディレクターはこの国にはいないのではないか、とさえ思われる。しかし、どうしたものか、と悩みつつ、こうして日記を更新……
と、これだけ間が空いたのは、忙しさはもちろんだが、ACアダプターを忘れてパソコンが開けなかったせいだ。慌てて妻に郵送してもらったが、運送屋もGW進行なのか、問い合せても今日発送した、とどこかの蕎麦屋じみた返答。到着は一週間後、と聞いて降伏し、DARTYにて69ユーロ出して購入、無事日本社会へのちっぽけな窓は開かれたのだった。めでたしめでたし。
ちなみにフランスも学生たちが休みになり家族旅行としゃれこむプチブルも少なくないらしいが、基本GWなどもちろんなく貧乏ヒマなしな大都会(=田舎者で構成)である。
……と書いたのは先週の木曜のこと。
金曜の朝、成田からヘルシンキへ九時間強。二時間ほどのトランジットを経たのち、四時間ほどでバルセロナに着いた。基本的にこの十年に恩恵を蒙った「タダ旅、タダ酒」でからだを壊した、と思う。贅沢病でなくてなんだろう。とうからそういう無理の利かない年齢になっている、とよくわかっている。家を離れるだけでたんに疲れるし、精神的に参る。よほどのことがないかぎり、これが最後となる気がする。
しかし、なにしろガウディーだ。着いた日はもう薄暮で出歩くということもなかったが、翌朝ひとりでサグラダ・ファミリアへ行き、ただただ圧倒された。ああ、ここに未完成に耐えうるヨーロッパ人がいた、と。考えてみればオーソン・ウェルズ『ドン・キホーテ』を「完成」させた、といわれるスペイン人ジェス・フランコのしたことは、むしろ「未完成」の未完成たる由縁に拍車をかけた、ということかもしれない。そうしてスペインには「完成」を目指す権力の「歴史」に抵抗するエントロピーが狂おしく横溢しているのかも知れない。このエントロピーはフラグメントでできており、その集合は街にノイズを放っている。
……なあんて、たった二日でなにがわかる、というわけでQ&A一回だけですごすごとバルセロナをあとにし、日曜パリ入り。その日は通訳の松島さんとプロデューサーのジュスタンに迎えられ、飯を食ってすぐダウン。
翌月曜、朝八時より終日ロケハン。スタッフ、実に勤勉かつ優秀……といっても「うちの連中」に較べるとまだまだ、ですけど(笑)。
本日火曜も雨中市場をロケハン、続いて女優オーディション。二人会い、二人とも大変よろしくて、激しく悶絶。サラほど優秀なキャスティングディレクターはこの国にはいないのではないか、とさえ思われる。しかし、どうしたものか、と悩みつつ、こうして日記を更新……
と、これだけ間が空いたのは、忙しさはもちろんだが、ACアダプターを忘れてパソコンが開けなかったせいだ。慌てて妻に郵送してもらったが、運送屋もGW進行なのか、問い合せても今日発送した、とどこかの蕎麦屋じみた返答。到着は一週間後、と聞いて降伏し、DARTYにて69ユーロ出して購入、無事日本社会へのちっぽけな窓は開かれたのだった。めでたしめでたし。
ちなみにフランスも学生たちが休みになり家族旅行としゃれこむプチブルも少なくないらしいが、基本GWなどもちろんなく貧乏ヒマなしな大都会(=田舎者で構成)である。
2008/4/24 2:59
敵国へ赴く気分だ。 日常
月曜、ユーロスペースでちょいとした撮影があり、それからスパイラルでこれまたちょいとした鼎談があり、へとへとになったので食事をごちそうになり、さらに留学から帰国した友人と下北沢で会い、さらにへとへとになったせいで眠りこみ、朝。
火曜、帰宅しても眠れそうになく、昨夜呑みすぎたから病院もサボってぼやぼやとしていたが、れいによってどうにもやる気が起きない。モチベーション、著しく低下。とにかくフランスなんかに行きたくないし仕事なんかしたくないのだ。家にいて飽きるまでじっとしていたい。
……とはいっても渡航直前となれば朝から晩まで打合せ連打の水曜。へろへろで家に帰り着いたらもう倒れるしかない、というのに寝ようとしても眠れず。
ネットを見ていると、こんな記事に……失笑。ついに全国区だ。
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200804230137.html
で、まあもうひとつニュースがあったが、喜んでいいやら怒るべきやら、ただただ悶絶。
今年『トウキョウソナタ』よりいい映画があるなんてどうしても信じられない。あるわけがない。
アウェーどころか、彼の国と交戦中であるかのような敵意を抱く。
だがなにがあろうと明日だけはちゃんと生きなければならない。
火曜、帰宅しても眠れそうになく、昨夜呑みすぎたから病院もサボってぼやぼやとしていたが、れいによってどうにもやる気が起きない。モチベーション、著しく低下。とにかくフランスなんかに行きたくないし仕事なんかしたくないのだ。家にいて飽きるまでじっとしていたい。
……とはいっても渡航直前となれば朝から晩まで打合せ連打の水曜。へろへろで家に帰り着いたらもう倒れるしかない、というのに寝ようとしても眠れず。
ネットを見ていると、こんな記事に……失笑。ついに全国区だ。
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200804230137.html
で、まあもうひとつニュースがあったが、喜んでいいやら怒るべきやら、ただただ悶絶。
今年『トウキョウソナタ』よりいい映画があるなんてどうしても信じられない。あるわけがない。
アウェーどころか、彼の国と交戦中であるかのような敵意を抱く。
だがなにがあろうと明日だけはちゃんと生きなければならない。
