2008/5/4  19:43

ブロッコリーの在庫!!  新鮮で気弱な言葉達

「ぬくもりおばけ」

詩 伊東光介

こうすけ、これ出来たのか?

いきなりお婆ちゃんは、真顔で小指を立てて聞いてきた。

思わず笑ってしまった僕に、

「お嫁さんだよ、お嫁さん。いい人見つかったのか?」

「お婆ちゃん、まだだよ。」

「えっ?」

「まーだだよ!」

「最近、耳が遠くなってさ。もうだめかな?」

「まーだだよ、お婆ちゃん、僕まだお嫁さん見つかってないから、まーだだよ!だからまだまだ元気でいてね。」

もういいかい?
まーだだよ!
僕とお婆ちゃんのかくれんぼ。
でもね、僕きっとお嫁さん見つかったって、
もう、いいよなんて言わないよ。

「こうすけの子供見れるかな?」

「見てね、お婆ちゃん見てね、いい、だからまーだだよ!まだまだまだまだまーだだよ!」

僕がお婆ちゃんの年になるまで、まーだまだ!

僕は、それまでにもっともっと頑張らなくてはいけない。

僕はまだまだなんだ。

君を迎えにいくまでには、もう少し大きくなってるかな?

もういいかい?
うん、いいよ。

君に認めてもらえるように…。

握ったお婆ちゃんの手が、何よりも温かく感じた。
僕と手をつないで歩くお婆ちゃんの姿は本当に可愛い。
車から降りて歩いたその少しの道のりが、どんなに僕にとって大きく深いものだろうか?

お婆ちゃんの年になるまでに、僕のこの小さな手で、少しでもこの都市を明るく照らせたらいいな。



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