2007/11/11  22:28

台本型物語  台本型物語

「東京ミクロライトTAGOSAKU」D 伊東光介


田子作『これはかわいそうに。これじゃ自分の巣に帰ることが出来ない。ミクロライトさん、どうかこのもぐらを助けてください。もぐらは長時間外に居ると死んでしまうんです。信じたくありませんが、この火傷は、人間が火を消さずにポイ捨てしたタバコの吸い殻のせいでしょう。もちろん僕の責任でもあります。どうかこの罪を許し、このもぐらを救ってください。』

ミクロライト『わかりました。では、そのもぐらに手をかざしてください。』

ナレーター『鳥を助けた時と同じように満ち溢れた光によって、もぐらの傷は治り元気になった。もぐらは元気になると、はしゃぐように自分の巣にもどっていった。』

田子作『ミクロライトさん、ありがとう。あなたのお母さんは太陽でしたね。もぐらは太陽が苦手なのです。でも太陽を決して恨んではいけないと、もぐらにちゃんと伝えておきますね。一応、私はもぐら研究家ですから。』

ナレーター『二人はまた歩き出した。すると、今度は畑の前で足の折れたかかしと出会った。』

田子作『これはかわいそうに。こんな姿じゃもうすぐ捨てられてしまう。ミクロライトさん、どうかこのかかしの足を治してあげてください。この足をつついたのはカラスでしょう。しかし、この世をゴミの山にして、カラスに悪知恵を働かせているのは人間です。どうかこの罪を許し、このかかしの足を治してください。』

ミクロライト『わかりました。では、また同じように手をかざしてください。』

ナレーター『手をかざすと、また光に満ち溢れ、かかしの足が元通りになった。かかしは、無表情のまま突っ立っていた。』

田子作『ミクロライトさん、本当にありがとう。何と感謝していいかわかりません。かかしは人見知りするんです。ふてくされたような顔していますが、本当は感謝の気持ちでいますよ。いつも人間の身代わりになって、どんなに傷ついても文句一つ言わないやつなんですから。本当に優しいんです。』



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