2008/10/6  23:51

ECBは定例理事会で金融緩和バイアスに転じ、利下げ観測強まる  世界の政策金利

ECBは10月2日の定例理事会で政策金利の据え置き(現行4.25%)を満場一致で決定したが、これまでのタカ派スタンスから大きくハト派に転換し、利下げ観測が急速に高まった。

トリシェ総裁の記者会見では、金融市場の混乱に言及するとともに、それが異常な不確実性を引き起こしていることも繰り返した。また、理事会では利下げについても議論していたことを明らかにし、ECBは状況の悪化の程度に応じて必要ならばいつでも行動する用意があるとも言及した。理事会後の声明文では経済成長の下振れリスクが強調される一方、インフレリスクが幾分下方修正されたため、利下げ観測が急速に高まった。ECBは金融市場の動揺と景気の低迷で物価の上振れリスクが若干弱まったとの認識を示す一方、8%の賃上げを要求しているIGメタル労組の妥結を控え、賃金インフレへの警戒も維持された。
トリシェ総裁は11月の利下げの予告は拒否したものの、金利が現行水準に据え置きとなることも特に示唆しなかった。

市場では物価や賃金の上振れリスクが残っていることから、金融市場の動揺が落ち着けば政策金利はまだ据え置きが続くという見方がある一方、年内に0.5%の利下げが実施されるとの見方も出てきている。利下げ開始については早いもので11月という見方があるが、ECBの経済見通しが改定される12月という予想もある。これまでは2009年の春頃との見方が多かったが、前倒しで利下げが行われるとの見方が優勢となっており、中には12月、2月、4月にそれぞれ0.25%、合計で0.75%の利下げが行われると見る市場関係者もいる。いずれにしろ市場環境次第ではあるが、ECBの次の一手がようやく金融緩和に転じてきたことが明確となった。

金融セクター懸念でドルのファンディングポジションの解消圧力からユーロ安・ドル高基調が続いているところにECBが金融緩和バイアスに転じたことからユーロの売り圧力が強まり、ユーロ・ドルは1.3748ドルに急落。ユーロ円も145円を割り込んだ。また、債券市場では利下げを織り込む形で相場上昇。2年債券3.295%(-0.147%)、5年債券3.614%(-0.126%)、10年債券3.932%(-0.079%)、30年債権4.435%(-0.089%)と堅調な展開(金利低下)となった。




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