2008/3/23 3:18
MY BLUEBERRY NIGHTS 映画
MY BLUEBERRY NIGHTS公式サイト
久しぶりのウォン・カーウァイ最新作。今回は、
・ノラ・ジョーンズ主演、その他ハリウッド・ビッグスターをキャスティング。
・東洋人は一切登場しないし、舞台もアジアじゃない。
・アメリカを舞台にしたロード・ムービー。
なおかつ今回はクリストファー・ドイルがカメラを担当していないなど、いつもとは異なる要素の多い作品ですが、話の顛末、つまりラブ・ストーリーの結末までもいつもと異なるとは思わなかった。つまり、恋愛がうまくまとまりそうな印象で終わるということ。
欧米人キャストでウォン・カーウァイ的世界観を再現したけれども、ストーリーは欧米流にポジティブにしてみたらこうなりました、的な映画に仕上がっています。
とは言え、
・綺麗な、もしくはセンスを感じさせる映像美。
・「感性だけでまとめてみました」的な仕上がり。
・訴えるものが何もない割り切り感。
という、乱暴な言葉を使えば、薄っぺらな内容はいつもどおり健在。
ウォン・カーウァイ作品にはメッセージ性や、観客を引き込むストーリーなど期待していませんから、それくらい薄っぺらじゃないとと観に行った甲斐が無い、と思うくらい。むしろ、感性とそこから伝わる雰囲気だけで充分。
別にこれは文句ではなく、ウォン・カーウァイならこうじゃないとな!的な、個人的賛辞でもあります。
とはいえ、いつもと異なる要素をうまく取り込みながらも、いつもと同じ雰囲気を出す苦労が随所に伺えるような部分もあったりするのです。それは懐の深い「寄せ集め」的な要素。
これが、先の「欧米人キャストでウォン・カーウァイ的世界観を再現」の個人的印象に通じていて、言葉を換えれば、ウォン・カーウァイではない別の監督が、オマージュやコピーとして仕上げた作品、的な印象をもたらしている要素でもあったりします。
例えば、
・主演女優がミュージシャン
ノラ・ジョーンス‐フェイ・ウォン
・カウンターとガラス・ケース、主人公が戻ってくる場所
ジュード・ロウが経営するカフェ‐ウェイ・ウォンが務める飲食店
・警官の悲恋
・独立した女の強さと弱さ
ギャンブラー‐麻薬ブローカー
こんな要素って、重慶森林(恋する惑星)に通じる要素で、そこからの引用だったりオマージュとして受け取ることができたりしないでもない要素だったりもします。
さらに言うと、バックに流れる音楽が花様年華で延々流される、夢二のテーマのハーモニカ・バージョンだったり、お店の防犯カメラで録画した定点映像のハイライトを眺めるのが趣味というジュード・ロウは、SMOKEで店の前の風景を定期的にカメラに収め続けるハーヴェイ・カイテルに重なる要素があったりと、薄っぺらいながらも提供される情報に思いを巡らす余地があるのが懐が深い所以なのですが...これを自分でやっているというのはつまり、それって手抜きだろ!?
きっと、いつもと同じ雰囲気を出すのに苦労したんじゃないかなぁ、と邪推してしまうわけです。
そんなわけで、例によってウォン・カーウァイ好きはいつもどおりに楽しめる映画だと思うのですが、今回はそれ以外の人にもお勧めなポイントが一つだけ。この映画のサントラは、手放しでお勧め。ノラ・ジョーンスのボーカル曲と、
My Blueberry Nights(オリジナル版)
マイ・ブルーベリー・ナイツ オリジナル・サウンドトラック
内容はどちらも一緒なので、価格の安いオリジナル版がお得でしょう。



