2008/7/6 2:09
SPEED RACER 映画
公式サイト
「MATRIXのスタッフが贈る」が謳い文句の作品と言えば、
Constantine
V for Vendetta
どちらもつまらない映画というわけではなかったけれども、娯楽超大作のblockbuster的な話題作にはならなかった。そして2度あることは3度あるのか、3度目の正直となるのか、またもMATIRXスタッフが贈る、今度は監督兄弟自らが監督した作品がコレ。
正直なところ、こんなニュースとか、
『スピード・レーサー』米で予想を下回るスタート‐VARIETY Japan より
公開初日にも関わらず、一番大きなシアターがこの映画に割り当てられていたりして、
クライマーズ・ハイ
2度あることは...の結果になるんじゃないかと期待半分、心配半分でしたが、気分を盛り上げてくれる、なかなか熱い映画でした。
まず、極彩色なCG映像はレース・シーンのアクションや演出の派手な毒々しい色遣いで、それは60年代にアニメに通じる駄菓子の毒々しさ加減を、現代の技術でハイブリッドしたかのようなビデオ・ドラッグのノリ。そのスピード感とバイオレンスさ加減は、WIPEOUTの爽快さ、痛快さに通じるものがあります。
特に、サーキットや都市風景に見られる、訳のわからないカタカナ表記などもWIPEOUTのデザインを担当したDesigners Republicの、まさにあのノリ。
とにかく、レース・シーンに限らず全編CG、役者以外はほとんど全部CGというこの作品。投入されたリソースは半端ではなくて、その一端はエンディングのスタッフ・ロールに垣間見ることができます。もう、Visual Effects for ***の連続だから。
そんなCGバリバリの作品と言えば、去年のコレが記憶に新しいところですが、
Transformers
超精密描写のCGが派手に動き回るという点においては、両者互角なのですが、「今のところをスローでもう一度!」と思わせない、派手さ加減とハイテンションを誇示すると同時に、CG描写だけに意識を集中させない演出で、SPEED RACERが一枚上手。映像に身を任せる感じで、CG鑑賞ではなく、あくまでも映画鑑賞に意識を集中させてくれます。
ストーリはと言えば、勧善懲悪ものにして家族と青年の成長を描いたシンプルなものですが、あえて60年代ジャパニメーション・リスペクトに徹したのだと推測するならば、そのベタさ加減は有りなのでしょう。
このベタさ加減は、ストーリーだけでなく随所に盛り込まれるユーモア、いわゆるネタにも反映されているのですが、当然のことながら笑えません。でもOK。きっとそれもリスペクトなんだと思う。リスペクトゆえに、それは意図してやったこと、あえてやっていることなんだと勝手に解釈しています。
そんなところまでスタイリッシュにしちゃったら、マッハGoGoGoじゃないだろ!?きっと、ウォシャウスキー兄弟はそんなことをいいながら、この作品を作ってたんだと思う。
スピードと分かりやすさ一直線の単純明快なストーリー進行で、最後まで観客のテンションを上げ続けてエンディングまで持って行ってくれる、そのテンションをスタッフ・ロール途中まで引っ張って、本当のスタッフ・ロールでクール・ダウンしてくれる。ストーリーの印象は何も残らないのだけれども、映像の派手さだけと面白さだけは印象に残っている。
そんな映像は無駄に華美で豪華だけれども、ストーリその他は期待できないのだけれども、この作品は、言うなれば、現代技術の粋を集めたものすごく分かりやすくて、ジャンキーな駄菓子。チームでどぎつい味わいもほんのひと時の印象なのだけれども、舌には着色料の赤色、青色の跡がはっきりと残っている、そんな感じの作品。
きっとこういう感触は、昔駄菓子に親しんだ経験のある大人じゃないと理解できないでしょう。
そんな映画の醸し出す雰囲気は家族連れで観る娯楽作品というよりも、ヤング・アダルトが楽しむ深夜の懐かしアニメ再放送に近いものがあります。
そんな意味で、この作品はレイト・ショーで楽しむのがお勧め。入場料も安くなるしね。というのも、たまたま今日レイト・ショーで観てきたからそんなこと言うのですが、それはきっと正しい選択でした。
---<鑑賞前の心得>---
レイト・ショーを狙って行こう。
---<居眠りポイント>---
夕食を食べた後でも眠くならない派手さ加減。
---<一言ストーリー>---
勧善懲悪と、レースを通じた青年の成長。



