2005/9/7 1:28
「ヴェラ・ドレイク」 イギリス
※イギリス・フランス・ニュージーランド合作
ヴェラを演じたイメルダ・スタウントンが絶賛されている。
華やかさとは縁遠く、小柄な女性ですが、とても力強さがあります。
自分のしたことは、法は犯しているけれど、人は傷つけていない。
望まない妊娠をしてしまったお嬢さんを助けただけ、という信念がうかがえます。
最後まで、自分の行いを「Abortion(堕胎)」とは言いませんでした。
後悔するのは、自分が逮捕されることで家族に迷惑をかけてしまったこと。
沈痛な面持ちは、その罪悪感からくるものと思います。
家族も親戚も、隣人までも愛する。
そして愛しているからこそ、迷惑をかけることに耐えられない。
キーパーソンは、そんな「黄金の心を持つ」彼女をどこまでも信じ、愛する夫。
逮捕された彼女を「家族の恥だ」と罵る息子に、「それは違う」と一蹴します。
劇中では、ヴェラの投獄後のエピソードは描かれず、
家族が再生するか否かは観客の想像に任される。
明るい未来を想像させる演出はなく、
ラストシーンでは、テーブルを囲む家族は無言のまま。
打ちひしがれた姿で映画は終わります。
唐突なラストに一瞬戸惑ったけれど、彼等は立ち直るだろうと予感しました。
妻を信じる夫の強い愛情は、きっと家族を再生させる力を持つ。
しかし、家族の誰かが信念に基づいて法を犯したとき、
私は無条件に許すことができるだろうか。
私が法を犯したとき、家族は私を許すだろうか。
なかなかヘビーな問いかけだ。
ヴェラ・ドレイク@映画生活
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