2008/7/25 2:09
おいしいサンドウィッチをいただく 弁護士・法律
「記録はここにあります。」
私は、倉庫のような部屋に案内された。段ボールが10個くらい置いてあり、そのそれぞれにギッシリ書類がつまっていた。
「じゃあ、とにかく拝見しましょう。」
私はげんなりしつつも、その思いは顔に出さず言った。
「先生、あの机をお使いください。」
依頼者が指差した部屋の片隅に、交通安全週間のテントで使われるようなスチール製の机と折りたたみ式のパイプ椅子があった。
こうして、私は、まず証拠として使えそうな資料とそうでない資料のえり分けに取りあえず着手したが、2時間たっても、段ボール箱1個が片付かない。こりゃぁ大変な仕事を引き受けちゃったな・・・と思っていたところに、依頼者が、「先生、どうぞ休憩なさってください。おなかも減ったでしょう。サンドウィッチ買ってきましたよ。」と差し入れを持って入ってきた。
前置きが長くなったが、今日はどうしてもそのサンドウィッチのことを書きたかったのである。
コンビニのサンドウィッチなら昨日食ったばかりだなぁ、と思っていた私だったが、どこで買ってきてくれたか知らないが、それは、都内の某有名ホテル特製の「手作り」サンドウィッチだったのだ。ちなみに私は足で作ったサンドウィッチというものを知らぬ。
ただ、いずれにせよ、そのサンドウィッチのパンにはさまれているのは、さすがにただのハムとか玉子とかポテトサラダではない。見たこともないような豪華な役者たちであった。
たとえば、その1は、明らかにサラダ系統であった。とりあえず・・・といった感じでおざなりに敷かれたレタスの上に、白く千切りにされてるのは、刺身のツマの残りかもしれない大根。他方オレンジ色のはニンジンでなくてなんであろう。この世にニンジン以外にオレンジ色の野菜はないと信じる。
そしてそれらよりやや太いゴボウの千切りがあり、レンコンの輪切りまで2,3枚。その全体の上に砕いた黒ゴマ(迷い込んだ蟻ではない。)を練りこんだサザンアイランドドレッシング(注:正確にはサウザンド・アイランド・ドレッシングと言うそうです。)が。実に凝った内容ではないか。
その2は、明らかに非偽装肉塊系統で、私が見たところ、若鶏か年寄り鶏かは知らないが、いずれにせよ、照り焼き風味のれっきとしたチキン。それにマスタードがゴッタリと塗られ、その上にパリパリと、セミの抜け殻をくだいたようなクリスピーなものが散りばめられ、さらには輸送疲れした貝割れ大根数本とスライスしたピクルス。そのピクルスは部分的に乾燥しており、スズムシの餌のなれの果てを思わせ、感動を誘った。
最後にその3は、おそらくは魚、とくにメロ(注:深海産の高級魚)だと思うが、それをフライにしたのがメイン。
趣味の悪い人はもしかしたら段ボール・サンドとでも呼ぶかもしれないが、いずれにせよ、その半分くらいにだけ、タルタルソースが、いかにもココでなくなりましたとばかりにちょびっとかかっており健康志向がうかがわれた。しかし、大人の布団に赤ん坊がひとりで寝ているようなパンとフライのバランスにはやや不満が残ったのも事実だった。ただ、全体的にパンはじっとりと濡れていて食べやすく、さすが一流ホテルのサンドウィッチはちがうと思った。フライも決してガソリンくさくなかった。
わたしは、この思わぬもてなしにすっかり気をよくして、この後、夜8時近くまで書類の山と格闘した。それでも全部の段ボールを片付けることはできなかったが。
ただ、うまい物をあてがっておけばまずまず働く――私はそういう弁護士なのである。
私は、倉庫のような部屋に案内された。段ボールが10個くらい置いてあり、そのそれぞれにギッシリ書類がつまっていた。
「じゃあ、とにかく拝見しましょう。」
私はげんなりしつつも、その思いは顔に出さず言った。
「先生、あの机をお使いください。」
依頼者が指差した部屋の片隅に、交通安全週間のテントで使われるようなスチール製の机と折りたたみ式のパイプ椅子があった。
こうして、私は、まず証拠として使えそうな資料とそうでない資料のえり分けに取りあえず着手したが、2時間たっても、段ボール箱1個が片付かない。こりゃぁ大変な仕事を引き受けちゃったな・・・と思っていたところに、依頼者が、「先生、どうぞ休憩なさってください。おなかも減ったでしょう。サンドウィッチ買ってきましたよ。」と差し入れを持って入ってきた。
前置きが長くなったが、今日はどうしてもそのサンドウィッチのことを書きたかったのである。
コンビニのサンドウィッチなら昨日食ったばかりだなぁ、と思っていた私だったが、どこで買ってきてくれたか知らないが、それは、都内の某有名ホテル特製の「手作り」サンドウィッチだったのだ。ちなみに私は足で作ったサンドウィッチというものを知らぬ。
ただ、いずれにせよ、そのサンドウィッチのパンにはさまれているのは、さすがにただのハムとか玉子とかポテトサラダではない。見たこともないような豪華な役者たちであった。
たとえば、その1は、明らかにサラダ系統であった。とりあえず・・・といった感じでおざなりに敷かれたレタスの上に、白く千切りにされてるのは、刺身のツマの残りかもしれない大根。他方オレンジ色のはニンジンでなくてなんであろう。この世にニンジン以外にオレンジ色の野菜はないと信じる。
そしてそれらよりやや太いゴボウの千切りがあり、レンコンの輪切りまで2,3枚。その全体の上に砕いた黒ゴマ(迷い込んだ蟻ではない。)を練りこんだサザンアイランドドレッシング(注:正確にはサウザンド・アイランド・ドレッシングと言うそうです。)が。実に凝った内容ではないか。
その2は、明らかに非偽装肉塊系統で、私が見たところ、若鶏か年寄り鶏かは知らないが、いずれにせよ、照り焼き風味のれっきとしたチキン。それにマスタードがゴッタリと塗られ、その上にパリパリと、セミの抜け殻をくだいたようなクリスピーなものが散りばめられ、さらには輸送疲れした貝割れ大根数本とスライスしたピクルス。そのピクルスは部分的に乾燥しており、スズムシの餌のなれの果てを思わせ、感動を誘った。
最後にその3は、おそらくは魚、とくにメロ(注:深海産の高級魚)だと思うが、それをフライにしたのがメイン。
趣味の悪い人はもしかしたら段ボール・サンドとでも呼ぶかもしれないが、いずれにせよ、その半分くらいにだけ、タルタルソースが、いかにもココでなくなりましたとばかりにちょびっとかかっており健康志向がうかがわれた。しかし、大人の布団に赤ん坊がひとりで寝ているようなパンとフライのバランスにはやや不満が残ったのも事実だった。ただ、全体的にパンはじっとりと濡れていて食べやすく、さすが一流ホテルのサンドウィッチはちがうと思った。フライも決してガソリンくさくなかった。
わたしは、この思わぬもてなしにすっかり気をよくして、この後、夜8時近くまで書類の山と格闘した。それでも全部の段ボールを片付けることはできなかったが。
ただ、うまい物をあてがっておけばまずまず働く――私はそういう弁護士なのである。
2008/7/29 23:20
投稿者:開設者
2008/7/28 12:53
投稿者:アバニコ
私は、まんまと先生のウケ狙いにかかってます(^-^)
2008/7/27 3:37
投稿者:開設者
南国人さん
文才なんてとんでもないです。私はちょっとウケを狙ってるだけです。
文才なんてとんでもないです。私はちょっとウケを狙ってるだけです。
2008/7/26 15:18
投稿者:南国人
先生のぬきんでた文才は,こと食べ物の表現において他の追随を許しませんね。
私としては,その表現の豊かさは小泉教授のそれを凌駕しているものと確信しております。
私としては,その表現の豊かさは小泉教授のそれを凌駕しているものと確信しております。
2008/7/25 14:34
投稿者:開設者
オカマ子さん
お恥ずかしいことです。このブログはけっして学習の材料にせず、反面教師にしてください。
お恥ずかしいことです。このブログはけっして学習の材料にせず、反面教師にしてください。
2008/7/25 3:54
投稿者:オカマ子
先生、お疲れさまでした。
またまた、サンドイッチ、先生の表現が独特ではまりました。読んでいて展開が楽しみになるのです。
今までも、教養、学問のない私は、先生のブログで国語の勉強にもなっているのです。
またまた、サンドイッチ、先生の表現が独特ではまりました。読んでいて展開が楽しみになるのです。
今までも、教養、学問のない私は、先生のブログで国語の勉強にもなっているのです。

この種の記事は、自分でも、日頃コメントをくださる方々のお顔を想像しながら書いているところがあります。